安全管理ガイドラインの概要
消費者庁の消費者安全調査委員会はスポーツジムなどのパーソナルトレーニングでケガや健康被害が相次いでいるとして、実態や事故原因について調査を始めると発表しました。
これを受けてパーソナルトレーナースクールを運営する2ndPASSは安全管理ガイドラインを公開します。
安全ガイドラインは大きく下記の2項目に分けて記載しております。
- 「パーソナルトレーニングをご利用される際に確認するとよい事項」
- 「トレーニングをされる方が気をつけるべき3つの観点」
パーソナルトレーニングをご利用される際に確認するとよい事項
1.店舗やトレーナーを選ぶ際の確認事項
トレーナーが資格を保有していることが望ましい。
知識不足のトレーナーは本人も気づかずクライアントに、誤ったトレーニング指導をしている場合があり、解剖学的な理論に反するトレーニングは怪我のリスクを高める。
有資格者であることはトレーナー選びにおける最低ラインと認識することを推奨する。
※実践経験やスキルもトレーナーの質に関わるため、有資格者でも100%の安全保証があるとは限らない。
以下は保有していると望ましい資格のリスト
【主な資格】
- 理学療法士(国家資格)
- NESTA-PFT
- NSCA-CPT,CSCS
- NASM-CPT,PES
- JATI
- AFAA
- JSPO-AT
2.トレーニング指導を受ける前の確認事項
パーソナルトレーニングは各個人の目的、目標に合わせてトレーニングや食事指導が行われる。
そのため、パーソナルトレーナーは各個人の情報を深く把握する必要があり、指導を受ける前にトレーナーから以下の2点が行われない場合は注意が必要。
- 運動歴、既往歴、体組成、薬剤投与の有無、ライフスタイル、体の悩み、理想のゴールなどをカウンセリングで聞くことが無く、顧客の悩みや目的を理解に必要なヒアリングが行われていない。
- 姿勢のクセや歪み、重心の位置、関節可動域(柔軟性)などについての評価が行われていない。
3.トレーニング指導中の確認事項
トレーナーの見た目の服装や清潔感に問題があり、指導を受けるにあたって不安が残るのであれば避ける必要がある。
また口調や、無闇にプライベートなことを聞いてきたり、指導中の道具の扱いが雑かどうかも判断材料になる。以下の5点が行われていない場合は注意が必要。
- トレーニングに入る前にウォーミングアップがない
- いつも同じ繰り返しのメニューでお客さまのケースに合わせたトレーニングが行われていない
- コミュニケーションが円滑に取れない
- 各トレーニング種目をやる理由や、なぜ「その重さで行うのか」などの説明が不十分、もしくは説明すらない
- ダンベルなどの重りを持ち上げる際の補助がない
4.食事指導を受ける際の確認事項
食事指導については様々な見解があり、以下の2点は最低限おさえられていることが重要。
- 基礎代謝以下の極端なカロリー制限を要求してこないこと
- サプリメント頼りの食事指導ではなく、基本的には食品から栄養素を摂取することを勧めること
(※短期間のダイエットやコンテスト出場など特別な状況は除く)
パーソナルトレーニングをご利用される際のまとめ
トレーニングや食事について指導を受ける際「なぜその種目なのか?」「なぜその食事なのか?」を理解できるまでトレーナーに聞くことを推奨する。
返答が曖昧だったり納得感を持つことができなければトレーナー変更を考える必要がある。
パーソナルトレーナーが気をつけるべき3つの観点
筋力トレーニングやボディメイクの裏には、解剖学や栄養学といった原理原則が存在しており、筋肉の動き(作用)や栄養素についてある程度の知識を身につけておくことを推奨する。
知識を身につけることは効率的なトレーニングや誤った情報を見抜き怪我などを未然に防ぐことに繋がる。
以下では安全にトレーニングをするために「トレーニング」、「休養」、「食事」の3つの観点で抑えておくべき内容を記載している。
1.トレーニング
- 対象部位のウォーミングアップ、クールダウンをしっかりと行う。
- 関節可動域を超えてのトレーニングは行わない
- バーベル種目を実施する際に、セーフティーバーを適切な位置にセットする
- バーベル・ダンベル種目を実施する際は、周辺スペースの安全性を確認する
- 慣れていないトレーニング種目を行う際は、まず、軽い重量から始める
- 汗による転倒や重りの落下を防ぐため、タオルなどで拭く
2.休養
- 疲れやストレスは怪我の原因や筋肉の成長を阻害するため、毎日安定した睡眠時間を確保し、なるべく就寝時間と起床時間を安定させる
- 体調が悪い時、筋や関節に痛みを感じた際はトレーニングを辞め専門医に相談する
3.食事
- 基礎代謝以下での極端なカロリー設定は控える(コンテスト等を除く)
- エネルギー源となる炭水化物を適度に取り入れる
- 筋肉を作るために十分なタンパク質を摂取する
- 過剰なサプリメントの摂取は内臓に負担をかけ健康被害に繋がってしまうため、食品重視の栄養摂取を行う
この記事の監修者:2ndPASS札幌校講師 宮下 真之
プロフィール
●株式会社ノックス代表取締役
●2ndPASS札幌校代表講師
北海道警察を退職後、大手フィットネスクラブでのインストラクターやフリーランストレーナーとして活動を開始。
アーティスト・プロゴルファー・力士など様々な著名人を指導。その後地元の札幌市に『PERSONAL TRANING GYM KNOX』を開業。
現在では、2ndPASS札幌校代表に就任し、講師としてパーソナルトレーナーの育成活動も行う。
保有資格
- NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定資格)
- NSCA-CSCS(全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
- 柔道三段
- ブラジリアン柔術茶帯
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WRITER 宮下 真之
2ndPASS札幌校 講師
株式会社ノックス代表取締役、2ndPASS札幌校代表講師
保有資格
- NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定資格)
- NSCA-CSCS(全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
- 柔道三段
- ブラジリアン柔術茶帯
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