大船にある『セサミスポーツクラブ大船店』では、加圧トレーニングの個別レッスンサービスが行われています。
業務委託という形でサービスを一手に担い、質の高いトレーニングを幅広いお客様に提供しているのが、株式会社サウンドMBジャパンです。
加圧トレーニングブームが落ち着いた後も、ダイエットを目的に多くのお客様がこちらのサービスを利用しています。
そのサービスの質の高さが好評で、つい先日は店舗拡大も実現しました。
それに伴い、大船店に2nd PASSの3期生、小瀬川さんが入社。現在は店舗責任者である小川さんと小瀬川さんの2人体制で、お客様をサポートしています。
今日は店舗へ訪問し、業界で10年以上というキャリアを持つ大先輩である小川さんに、ジムの特徴やパーソナルトレーナー として求められる素質をうかがいました!
加圧トレーニングのメリットとお客様のニーズ
−−いきなり話題がそれてしまうんですが…、小川さんむちゃくちゃ体格がいいですね。
ありがとうございます(笑)
昔ボディビルダーの大会などに出場していまして。今でも維持できる程度にトレーニングを続けています。
−−のっけから失礼しました(笑)でもパンパンな腕がかっこよすぎます。話題を当初の目的に戻しまして、こちらの店舗様について教えていただけますか?
はい。私たちはセサミスポーツクラブ様の、加圧トレーニングの業務委託という形でトレーニングを行なっています。
年齢としては、30代後半〜50代前半のお客様が多いですね。
そして実は、私たちのお客様はほとんどがセサミスポーツクラブ様の非会員の方なんですよ。
−−そうなんですか!てっきり会員様がメインなのかと勘違いしていました。
ええ。もちろんジム会員のお客様もいますが。
今から約10年前は某芸能人の方々が加圧トレーニングをしていたというのが話題で、ちょっとしたブームだったんですよ。
最近はすっかり下火で、「加圧って何?」と聞いたことも見たこともないという方が来店されることも多くなりました。
割合で言えば半々くらいです。
−−確かに。私も以前、加圧トレーニングを自分でできるためのウェアやベルトを購入したのがちょうどそのくらいの時期でした。
現在はむしろ、パーソナルトレーニングでダイエットができるというのと、大船駅前ではここでしかパーソナルがないという理由で通われるお客様がほとんどです。
あとは、周りにやっているご友人がいて、その方に勧められたというお客様も多いですね。
−−なるほどですね。加圧トレーニングのメリットを教えてください。
短時間で成長ホルモンの分泌を促すことができるという点です。
通常のトレーニングの約5倍とも言われています。
成長ホルモンの分泌により、アンチエイジング・脂肪燃焼・筋力アップといった効果が期待されます。
また、ベルトで意図的に血管へ負担を加えることによって、血管の弾力性を高めることもできるんですよ。
もともと加圧ベルトはリハビリ、リコンディショニングという観点で取り入れられたものです。
開発者も大腿骨の骨折に対してベルトによる圧力の付加を加えることで、通常退院に半年かかると言われていたところ、2ヶ月で神輿がかつげるレベルにまで回復したという事例があります。
現在も、研究論文や臨床検査は医療分野に関連したものが多いですね。
−−医療分野からトレーニングに応用されていったというのは、バランスボールやチューブに近い感じですね。
そうですね。
ただ来店されるお客様のニーズは、「痩せたい」がほとんどです。
うちの場合は男性2割、女性8割と女性のお客様が圧倒的に多いですが、それはどこの店舗に行っても変わらないんじゃないかな。
−−なるほど。加圧の特長を熟知している株式会社サウンドMBジャパン様だからこそ、そうしたお客様のニーズにもしっかり応えられているんですね。
パーソナルブーム到来で、参入してくる人材に大きな変化も
−−やはりパーソナルの需要は女性が高いんですね。小川さんは、パーソナルトレーナーとして求められる人材層をどのように考えますか?
そうですね。
トレーニングの知識を持っていること、体が出来上がっていることは最低限だと思います。
その上で、基本的に女性を相手にすることが多い職業であるという点から、人の話を聞いてあげられる、コミュニケーションの取れる人であることが重要です。
例えば通い始めてから、思ったほど大きな成果が出ないことで辞めてしまう方もいれば、続けてくださる方もいます。
それは、「このトレーナーさんに見てほしい」という思いがあるからです。
継続して通い続ければ、最初の数ヶ月は色々な変化が体に起こるものの、2年3年と通い続ければ、その変化は乏しくなるでしょう。
目標達成後は「維持」が目的になるわけですが、目に見えて「良くなった!」と感じる要素は大きく減ります。
そうなった何が大切かというと、「コミュニケーション」になるわけです。
−−なるほど。こちらの店舗で新たにトレーナーとして加わった小瀬川さんは、小川さんから見てどう映りますか?
店舗は少し前から2人体制で進めていましたが、三鷹に人員が必要になったことで小瀬川さんを採用することになりました。
フィットネス系とは全く違う前職から、勉強をされて転職したというお話は聞いていました。
学校で勉強してきたからなのか、トレーニングやセッションに対するモチベーションや知識、パーソナルに対する考え方はすでに出来上がっていると感じましたね。
彼のように事前に勉強してある程度の知識が頭に入った後で入社する方は、成長スピードが早いです。
一定のレベルに到達するまでの、軌道に乗るのが早いという印象があります。
−−そうなんですね。ここ最近で、パーソナルトレーナーを目指す方に変化を感じることはありますか?
ここ数年、全く違う前職からトレーナーになる人が本当に増えています。
アパレル、IT系、警察官など職業もバラバラです。
私がこの業界に入った頃は、専門学校の卒業生やフリートレーナーをしていたという方ばかりでした。
今は完全に、需要と供給のバランスが崩れていると言えますね。
パーソナルトレーナーが足りないという状態です。
正直な話、現場を統括する身からすると、お客様よりトレーニング歴が短いトレーナーをあてがい、彼らのセッションに対してお金を払っていただくことに申し訳なさを感じることもありました。
私がこの会社に入社したのは3年前で、それまでも新人教育などをする機会がありました。
その時にも全くの初心者を、1ヶ月〜2ヶ月の研修で現場に出す必要があって。
でもいざ突っ込んだ質問や相談を受けた時、彼らは受け答えができません。
ここをどうにかしたいなという思いは常にありました。
−−フィットネス全体が盛り上がっているからこその悩みですね。
この辺りは、会社側の労働環境の改善が課題と思います。
例えば、トレーナー業というのは入社当初の給料はいいけれど、そこからの昇給がなかなか難しいという現状があります。
この状況が変わらないまま、ある程度の年齢になった時に辞めてしまう人が多いです。
若い世代も、頑張りや店舗の売り上げの伸びに対する対価がなければ、将来性への不安を感じて転職してしまう子が過去にたくさんいました。
昇給やボーナス、セッションフィーといった給与体系や労働環境が整っている会社には、優秀な人材が残っていますからね。
どんなトレーナー人生を送りたい?を常に問い続けてほしい
−−業界で働く先輩として、2nd PASSなどでの勉強を経てトレーナーになる人々に、これからを生きるために必要な考え方や能力を教えていただけますか?
全くの知識がない方にとって、スクールでトレーニングや体についての知識を手に入れるのは重要です。
しかし、どういう意思・目標を持ってスクールに入学するのかも考えた方がいいかなと感じます。
例えばフリー・独立を目指すのであれば、トレーニングの知識だけでなく、他の店舗にはない付加価値や店舗のマネジメント能力を身につける必要があります。
もしもフリーではなく店舗経営者として従業員を抱えるのであれば、経営能力が欠かせません。
トレーナーの中には、「トレーニングさえちゃんとしていれば売り上げは自然とついてくる」と勘違いしている人が結構います。
そういう人がいざ独立したけれど、数字の計算やマネジメントができずに廃業してしまうなんてざらにあるんです。
2nd PASSでの勉強内容はもちろん、集客や店舗管理、経営など幅広い分野に目を向けた方がいいです。
その上で、業種の垣根を超えてたくさんのつながり=コネクションを作っておくと、独立や開業、あるいはキャリアアップに大きく役立ちます。
ただ「レッスンをこなす」「家に帰って休む」の繰り返しではダメです。
パーソナルトレーナーとして就職したあとは、会社をどうやったら大きくできるか、どうやったら店舗を良くできるかを考える癖をつけてください。いわゆる経営者目線ですね。
そうすれば、会社でずっと働くという選択をした時はもちろん、フリーになった時も自然とこの思考が役に立ちます。
自分の将来像を見据えて、1年後どうなりたいか、5年後どうなりたいか、10年後どうなっているかを考え続け、必要なことを順序立てて目標を決める。
こういう考え方を1年5年10年。それにはどう行ったことが必要なのかを順序立てて、目標を決めて取り組んでください。何も考えないと、どうしても惰性になってしまいます。
−−パーソナルトレーナーというよりも、働く人全てに共通する考え方ですね。
そうですね。何年もキャリアを重ねて一定の「気づきを手に入れられる人」、何年も同じ仕事をしているのに「気づき手に入れられない人」には、こうした差があるんだと思います。
編集後記
加圧トレーニングは、2nd PASSの授業内容ではあまり触れないジャンルです。
一見全く違う理論に感じますが、お客様のニーズにどう応えるかという考え方のアプローチと、根本となる体の知識は共通しています。
ブームが去った後も着実に実績を残し、店舗拡大を続ける株式会社サウンドMBジャパン。
こちらの店舗を目にすると、パーソナルジムと聞いて誰もが思い浮かぶようなイメージ以外にも、多くの選択肢がこの業界には存在するのだなと感じさせられました。
キャリアを思い描く重要性
取材は小川さんのセッションスペースで行いましたが、その脇には何冊もの本が。空き時間を活用して常に幅広いジャンルの勉強を重ねていることがうかがえます。
「パーソナルトレーナーになる」
2nd PASSに限らずフィットネスに参入しようという人の多くが、これを目標に頑張ります。
しかし、大事なのはトレーナーになった後、どんなキャリアプランを描くのかです。
- 企業にいて店長やエリアマネージャー、そして新人育成に力を注ぐ
- フリーとして常に現場に立ちつつも、セミナー講師や執筆活動などで活動の幅を広げる
- 開業して経営者となり、従業員を抱えながら店舗運営に励む
トレーナーとしての知識を深めるだけでなく、どんなトレーナーになりたいのかを考え続けることが、この業界で成長を続ける秘訣なのかもしれませんね。
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