今回はパーソナルトレーナー歴7年(25年3月時点)の2ndPASS卒業生「稲垣 亮紀(あきのり)」さんにトレーナー資格をとる過程から、おすすめの資格についてお話をお伺いしました。
- パーソナルトレーナー資格選びを迷っている。
- トレーナー転職を検討中
- 転職後にフリーランス活動したい
そんなお悩みを持っている方々の参考になれば幸いです。
今回インタビューする2ndPASS卒業生
国際資格2つ保有。
21歳(2018年)ティップネスで業務委託トレーナーとして活動開始。
2ndPASS卒業後も、さらなるスキル向上のために複数の民間スクールを受講し、スキル向上は現在も進行中
パーソナルトレーナーとタイ古式マッサージの2軸で活動。
プロフィール | |
---|---|
保有資格 | NESTA-PFT CFSC |
認定証 | 2ndPASS認定トレーナー JTTMA日本タイ古式マッサージ協会ベーシックコース認定セラピスト 5Sアカデミー 認定ヘルスプランナー 日本ウォーキングスペシャリスト協会 (受講中) |
パーソナルトレーナー資格を取ろうと思ったきっかけ
パーソナルトレーナーとして働くために、まず資格を取る必要があると考えました。もともとはティップネスでアルバイトをしていて、そこでパーソナルトレーナーという仕事に興味を持ったのがきっかけです。
最初に勉強したのはNSCA CPTの資格。でもテキストが700ページ以上あって、独学ではなかなか進めにくかったんですよね。
NSCA資格を取れるスクールの授業見学にも行きましたが、授業内容が教科書をなぞるだけで、現場で使えるイメージが湧きませんでした。
アルバイト先ではすでに現場で活躍しているトレーナーを間近で見ていたので、もしスクールに通うなら資格取得だけのスクールではなく、実際に現場スキルを身につけられるスクールがいいなと思いました。結果としてNSCA資格取得のためだけのスクールには入らないことに決めました。
そんな感じで勉強につまづいていたところ、ティップネスのトレーナーから「どの資格を取るかよりも、まずは資格を取って現場デビューして、実績を積みながら勉強した方がいいよ」とアドバイスをもらいました。
それを聞いて、まずは早く資格取得して現場経験を積むためにCFSC資格を取ることに決めました。
稲垣さんのとった資格と勉強方法を教えてください。
CFSC資格の取得
項目 | 内容 |
---|---|
費用 | 66,000円(税込) |
勉強時間 | 1日4〜5時間 |
勉強期間 | 約1ヶ月 |
CFSCの資格取得にかかった費用は約7万円。1日4〜5時間ほど勉強で約1ヶ月、毎日動画教材を見ながら学習を進めました。
またCFSC以外のテキストも購入し、自分のトレーニングのために活用しました。
試験はいつでも受験可能で、自分が「いける!」と思ったタイミングで受験しました。座学試験はネットで受験でき、スマホで自宅から受けられます。
一度購入すれば合格するまで何度でも再受験できる仕組みだったので、学習の進め方の自由度が高かったですね。
こうして21歳の1月にトレーナーデビューしました( 2025年3月現在、27歳)
NESTA PFT資格の取得
NESTA PFTの資格は、2ndPASSのカリキュラムを活用しながら取得しました。短期間で効率的に学習しながら、現場で使える知識を身につけることができたのが大きかったですね。
NESTA PFT資格のためだけの勉強期間は、実質1週間くらいでした。というのも、2ndPASSの学習とNESTAの勉強が連動していたため、特に区別せずに進めていたんです。
スクール自体は半年間あるので、その間はひたすら2ndPASSの授業をこなし、NESTAの試験前の1週間で過去問を集中的に解くという流れでした。
勉強スケジュールと工夫
勉強時間を確保するために、特に朝の時間を有効活用しました。コロナ禍で2ndPASSスクールに入学し、外出禁止の期間を使って集中的に学習しました。朝8時から10時まではランニングや筋トレをしながら、耳では2ndPASS授業の録音を聞くようにしていました。
緊急事態宣言が明けてからは、昼過ぎから夜まで業務委託のパーソナルトレーナーとして働き、22時に仕事が終わった後は23時まで自分の筋トレ。その後、深夜2時くらいまで勉強を続ける生活を送っていました。
SNSを活用した勉強法
フリーランスでトレーナーとしてやっていきたいと考えていたので、将来の集客のためにインスタのアカウントを作成しました。
そのうえで、毎晩20時に投稿することを目標に設定し、なるべく毎日投稿を続けました。
勉強したことを投稿としてまとめることで、知識を整理しながらアウトプットすることができ、ただ問題を解くだけでなく、インスタの投稿にまとめることで実践的な知識として定着させることができました。
まとめた資料をお客様にプレゼント
オンラインの発信だけでなく、学んだことを文章にしてお客さんにもプレゼントしていました。
誰かに見せることを前提にすると、ただ理解するだけでなく、相手に伝わるように整理する必要があります。人に教えるつもりでまとめることで、結果的に自分の学びにもつながりました。
実技練習の場でも座学の復習
筋肉や骨の名称や作用をトレーニングしながら覚えるようにして、実際に2ndPASSの同期やティップネスのトレーナーたちと「大胸筋の起始停止ってどこだっけ?」といった会話をしながら、理論を実践を通して体でも覚えていきました。
ただ知識として暗記するのではなく、実際に動きの中で確認しながら学ぶことで、より深く理解できるようになりました。
単に自分のフォームを意識するだけでなく、2ndPASSの同期やティップネスのトレーナーたちと、肘の角度やバーベルの位置をチェックし合いながら練習を重ねました。
大胸筋に最も効率よく刺激を入れるためには、どのような肘の角度が適切か、バーベルの軌道をどう調整すればいいかといった細かいポイントを意識しながら、互いにフィードバックをし合いました。
お互いのフォームを確認しながら調整を繰り返すことで、理論だけでなく実際のトレーニングの中で最適な動作を身につけることができました。
資格取得後、実務に変化を感じましたか?
NESTA PFT資格と2ndPASSの勉強を掛け合わせてから、体験セッションの質がガラッと変わりました。
項目 | 資格取得前 → | 資格取得後 |
---|---|---|
カウンセリング | 5分程度 | 20〜25分 |
施術 | ペアストレッチ | 骨格評価を行いながら施術 |
筋トレ | 部位別の筋トレ | 個別の状態に合わせた トレーニング |
クロージング | 1分程度 | 15分確保 |
セッションの流れ | 流れ作業のようになっていた | お客さんの状態を把握し、最適なプログラムを提供 |
資格取得前の体験セッションでは、クロージングの時間がほとんど確保できず、慌ただしく終わってしまっていました。本来クロージングはお客さんにサービスの価値を伝え、成約につなげる重要な時間のはずなのに、しっかり取る余裕がなかったんです。
それというのも、お客さんに満足してもらいたくて、とにかく実技をたくさんやることに意識が向いていたからでした。セッション内でできる限り多くのトレーニングを詰め込もうとしてしまい、結果的にクロージングの時間が削られてしまっていたんです。
しかしNESTAの資格取得や2ndPASSでの学びを通じて、お客さんの状況に合わせた最適なトレーニングを提供できるようになり、セッション全体の構成を意識するようになりました。
その結果、無理に詰め込むことなく体験セッションを進められるようになり、クロージングの時間もしっかり確保できるようになりました。
体験セッションに余裕が持てると、お客さんにも納得してもらいやすくなり、結果として成約率も上がって収入もアップしました。
資格そのものが直接収入を増やすわけではありませんが、資格やスクールでの学びによって体験セッションの質が向上したことが、最も大きな変化だったと感じています。
これから資格を取る人へのアドバイス
完全未経験者に稲垣さんのおすすめの資格はなんですか?
まっさらな状態からパーソナルトレーナーを目指す段階であれば、NESTA PFTの取得をおすすめします。
初心者向けにベーシックな内容がバランスよく学べる資格で、細かすぎず浅すぎず、未経験者がパーソナルトレーナーの現場に出るためにちょうどいい内容になっていると現場に出て思います。
特にダイエットや減量に特化した知識が得られるのもポイントですね。
NSCA CPTも勉強しましたけど、僕にはちょっと無理でしたねー。700ページもあって。でも資格のためだけにスクール通うのは違うなと思っていたし、当時結構頭を抱えましたねー。スポーツ系の大学を出ていて、ある程度の前提知識がある人向けのテキストだなと思います。
それだけでなくNESTAを取得すると、NESTA団体のセミナーで先輩トレーナーとつながる機会が増えたり、特別セミナーに参加して資格取得後も学び続けられる環境が整っています。
僕は今ウォーキング指導のスクールにも通っているんですけど、知識の土台となるNESTA PFT資格をとって、特化したい分野の資格を磨いていくトレーナーキャリアの築き方がおすすめ。
- 勉強のしやすさ
- 資格取得後のセミナーなどの継続学習
大きくこの2つがNESTAをおすすめするポイントですね。
稲垣さんのようにCFSC資格を最初にとるのはどうですか?
トレーナーになってみて思えば、CFSC資格はある程度経験を積んだパーソナルトレーナー向けだたと感じます。
資格取得自体の難易度はそこまで高くなかったのですが、専門的なトレーニング種目が多く、「いつ・どんな人に使うのか?」がすぐにはイメージできない種目まで扱われていました。
どちらかというと現場経験のあるトレーナーがスキルアップとして学ぶ資格という印象が強かったですね。
実際、僕自身もトレーナーになって5年ほど経って、CFSCで学んだ種目を現場で使いました。
一般のダイエット指導では使わない種目が多いので、まっさらな状態から資格取得するのであればNESTA PFTが良いと思います。
資格を取ってすぐに活用できる種目は少なく、ある程度経験を積んでからの方が、この資格の学びをより有効に活かせると感じました。
資格によるトレーナースキルの差を現場で感じますか?
NESTAでもNSCAでも、実際に現場に出るとトレーナーのスキルに大きな差は感じません。
でも加圧トレーニング系の資格に限っては「時短トレーニングに特化」を売りにしているので、そこは大きく違いを感じます。
最終的には、どの資格を取るかよりも、それをどう活かすかが大事。資格を取った後も学び続け、実践に落とし込むことが成長につながるので、ぜひ楽しみながら学んでほしいと思います。
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WRITER 戸田 明宏
2ndPASSスクール/編集部/Webディレクター
保有資格:NESTA-PFT、NESTA-WMT
Webディレクター:Web広告、SEO、ホームページ集客
2ndPASSスクールではホームページ運用やサイト制作を、主に卒業後の生徒に向けてサポート
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