パーソナルトレーナーの資格取得を考えるとき、まず候補にあがる代表的な資格の1つに「NSCA-CPT」が挙げられます。
国際的に認知度の高いNSCA-CPT資格が「どんな資格なのか」「どう勉強すれば良いのか」などなど解説していきます!
目次
NSCAとは『National Strength & Conditioning Association』(全米エクササイズ&コンディショニング協会)というアメリカ、コロラド州に本部を持つ団体です。
フィットネスの本場であるアメリカに拠点がある団体の資格であり、NSCA-CPTは世界で最も有名な資格の1つと言えます。CPT資格とは『Certified Personal Trainer』(認定パーソナルトレーナー)の略称。
NSCA-CPT資格を持っていることで一般のお客さまの健康増進はもちろん、アスリートのお客様にも対応できる知識とスキルを持っていることが証明できます。そのためトレーニング技術だけにとどまらず医学的、運動生理学的な専門知識まで必要です。
パーソナルトレーナーやインストラクター向けの「民間資格」ですが、理学療法士や柔道整復師といった「国家資格」を持つ人でも、更なる理解の為にNSCA-CPTを取得することがあります。
また日本ではNSCA-CPTの他にもNSCA-CSCSという資格も取得ができます。NSCA-CSCSはアスリートのパフォーマンス向上をメインとしていて、パーソナルトレーナーやインストラクターだけでなく医師もこの資格を取得することがあります。難易度はNSCA-CPTよりも難しくなります。
NSCA-CPTは子供から高齢者まで、トレーニング初心者から上級者まで、様々な人々のニーズに合わせた指導が出来ることを証明できる資格です。
アスリートから一般的なお客様まで幅広いトレーニング指導できる資格なので、パーソナルトレーナーの方に限らず、ジムで働くインストラクターの方にとっても取得をおすすめできます。
就職や転職または、フリーランスとしてトレーナー活動をしている方にとってもNSCA-CPT資格はトレーナースキルの証明に役立ちます。
またNSCA-CPT資格が役立つのは日本だけにとどまりません。NSCAの本部はアメリカ、支部は日本・韓国・イタリア・中国・スペインと5カ国に置かれているため、将来的に海外での活動を考えるトレーナーにとってもメリットの大きい資格と言えます。
同じくらい世界的に有名な資格の1つにNESTAがあります。
*パーソナルトレーナー資格、「NESTA-PFT」については以下の記事をご覧ください。
NSCA認定資格に限らず、資格を所持していることはあなたの知識と技術の証明になります。医者には医師免許、美容師には美容師免許と国家資格が必要ですよね。実は、パーソナルトレーニングやインストラクター専用の国家資格というものは存在しません。そのため資格が無くてもトレーニング指導の仕事を行うことは可能というのが現状です。
しかしトレーナーが自分の経験だけでに頼る指導には限界があります。自分1人の経験に頼る知識だけでなく、科学的根拠に裏付けされたトレーニング指導が出来るトレーナーは企業からも、お客様からも必要とされます。
パーソナルトレーナーやスポーツトレーナーの資格は他にも数多くあります。
資格を取得するために必要なことを確認していきましょう。
NSCA-CPT資格の試験はマークシート形式にて行われます。試験時間は3時間で選択式の問題が合計155問。試験は以下の構成で行われます。
ノンスコアード問題というのは、今後の試験内容の参考にされる「採点されない問題」です。受験者には、どれがノンスコアード問題になるかは知らされていません。
NSCA-CPTの試験を受ける前に以下の条件を満たしているか確認しましょう。
- NSCAジャパン会員である
- 満18歳以上
- 高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学検定試験)合格者
- 有効なCPR/AEDの認定者(*)
- NSCA-CPT認定試験に合格
公式HPより引用
「Web」または「郵送」による手続きでNSCAジャパン会員になることができます。会員には2種類、「正会員」と「学生会員」があります。年会費がかかり、試験を受ける前の入会する際に費用が発生します。
・正会員 ¥13200
・学生会員 ¥11000
CPR(心肺蘇生法、Cardio Pulmonary Resuscitation)とAED(自動体外除細動器、Automatic External Defibrillator)に関する資格です。
CPRとは簡単に言うと心臓マッサージや人口呼吸などのことを指し、AEDは駅のホームなどに設置され、心臓に電気ショックを与える機械です。これらを適切に扱うための講習会が「日本赤十字社」や「消防署」などで行われています。
オンラインのみのCPR/AEDの講習会もありますが、NSCA資格取得条件は満たせないのでご注意を!
CPR/AEDの講習会は多数ありますので、NSCA公式にて確認しておきましょう。
https://www.nsca-japan.or.jp/exam/afterpassing/
NSCA-CPTの資格試験は紙媒体ではなく、「ピアソンVUE」というパソコンを使用したコンピューターベースの試験です。
パソコンを使う試験ですが、オンライン受験ではなく「ピアソン Vue」のテストセンターで試験を受けます。お近くの試験会場を見つけて受験しましょう。https://www.pearsonvue.co.jp/Documents/Japan-Downloads/TC_List/pvue_jp_TC_all.aspx
自分に合った試験日と試験会場を選択することが出来ます。
受験費用は¥45200に加えて、上記で説明した会員費用の¥13200(正会員)がかかります。
NSCA-CPT資格試験の2019年度の合格率は78.9%と、8割近くの人々が合格しています。しっかりと準備さえしておけば、取得できる資格なのでどういった勉強、試験対策をすれば良いのか以下3つにまとめたので見ていきましょう!
まず一つ目が公式テキストと問題集を用いて独学で進める方法です。NSCA-CPTの試験の出題範囲は公式テキストの内容のみからです。テキストで学んだことを問題集で確認していくことの繰り返しでの試験対策が可能です。
勉強方法のポイントとして、「解説の内容を見なくても自分で説明できるようにすること」で理解を深めていくようにしましょう。繰り返しテキストを解いているうちに、同じ問題を目にした時、なんとなく答えを覚えていて、理解ができているのかどうかの確認ができなることがあるでしょう。
例えば選択問題で正解以外の選択肢が「何故間違っているのか」をしっかりと説明できるようにしましょう。そうすることで出題の仕方が変わっても対応できるように準備をしておきましょう!
試験問題は選択式ですが、問題数と時間の関係から「即答」が求められるので、1つの問題を様々な観点から自分で説明できるようにする勉強法で理解を深めることをオススメします。
公式テキストは¥13200(会員価格¥11880)
公式問題集は¥11100(会員価格¥9900)
「1人で勉強を進めていく自信がない」という方は少なくはないでしょう。通信教材を用いた学習法であれば通学の必要もないので、社会人や多忙な日々を送る方にオススメ。
資格を発行しているNSCAジャパンが独自に行っている通信講座はありませんが、「NSCA 通信講座」と検索すると各種通信講座があります。
1)費用費用はスクールによってまちまちです。一般的には、テキスト2冊にテストの添削、オリジナルDVD・オリジナル教材がついて10万円〜15万円程度になるでしょう。
2)勉強内容と勉強期間勉強内容は主に、NSCA-CPTのテキストをもとにしたパーソナルトレーナーの基礎知識と、解剖学の基礎などです。サポート期間は6カ月〜12カ月としているスクールが多いです。
ちなみに、NSCAジャパンは事前知識があり集中的に勉強するなら最短で3カ月、じっくり基礎から学ぶなら約9カ月は勉強期間が必要だとしています。
民間の養成スクールで学ぶ大きなメリットの1つにトレーニング実技を同時進行で学べるという点があります。
NSCA-CPT資格の試験内容にはお客様への対面を想定した問題も出題されます。独学や通信教育の大きなデメリットとして、自分で用意しない限り実技を練習できる場がないということ。
パーソナルトレーニングに通われるお客様は必ずしも全員が運動経験があると限りません。運動未経験者に対しても、資格で学んだ知識を現場レベルで指導できるように落とし込む必要があります。
また実際のパーソナルトレーニング指導をするとき、資格試験で学んだ順番で知識が問われることはありません。ダイエット目的でパーソナルトレーニングに通われるお客様でも「実は腰痛、肩こり、猫背などでも悩んでいる」というケースは多くあります。多種多用なお客様のニーズに対応できるよう、資格の勉強をベースに実技レベルでスキルを身に着けておくことが望ましいと言えます。
そういった意味で民間も養成スクールへの通学はオススメです。2nd PASSにはNSCA試験対策講座もありますので、気になる方はお気軽に相談してみて下さいね!
お客様のニーズに幅広く対応できるトレーナーになるために、1つ以上は取得しておくことがオススメされます。自分のパーソナルトレーナーとしてのスキルやキャリアアップのために少しずつでも試験勉強を進めていくと良いでしょう!
「パーソナルトレーナーの仕事が気になるけど、まだまだ何から調べたら良いか分からない」
という方は以下のURLよりお気軽にお問合せくださいませ。