パーソナルトレーナーの仕事は、クライアントの健康と目標達成に貢献できるという大きなやりがいを感じられる一方で、仕事量やノルマ、人間関係など、さまざまな問題を抱えている方も多いのではないでしょうか。
このページでは、パーソナルトレーナーの仕事をやめたいと考えている方に向けて、後悔しないための判断基準、辞めた後のキャリアプラン、転職や独立に役立つ情報などを提供します。
パーソナルトレーナーを辞めたい理由
パーソナルトレーナーの仕事を辞めたいと考える人が抱える理由は多岐にわたります。
これらの理由を深く理解することで、仕事を辞めたいという感情の根底にある問題点を明らかにし、将来のキャリアパスを計画する際の参考にすることができます。
残業時間の多さ
パーソナルトレーナーは、クライアントのスケジュールに合わせて働く必要があります。
そのため、夕方や夜間に集中するクライアントのトレーニングセッションにより、残業時間が増加する傾向にあります。
これにより、プライベートの時間が減少し、ワークライフバランスの乱れを感じる人も少なくありません。
- 会社ホームページの運用
- 集客・ビラ配り
- 店舗の清掃・衛生管理
- 顧客のカルテ管理
- 顧客のスケジュール管理
などなど、トレーニング指導以外にもパーソナルジムでの業務は数多くあります。
こうしたギャップから残業時間が増えたり、やることが多く感じたりして「トレーナーを辞めたい」と感じる方が一定数いらっしゃいます。
「やめとけパーソナルトレーナーなんて」と言われる理由。業界のリアルと打開策
長期休暇が取りにくい
フィットネス業界は、土日や祝日にクライアントが増える傾向にあります。
これにより、パーソナルトレーナーが長期休暇を取得しにくい環境が生まれています。
特に、ジムやフィットネスクラブが年中無休で運営されている場合、休暇を取ることが一層難しくなります。
会社の方針に合わない
パーソナルトレーニングジムやフィットネスクラブの中には、営業活動に重きを置く方針を取っているところもあります。
パーソナルトレーナーとしての業務には、会社のノルマを達成するためのプレッシャーや、クライアントにサービスを「押し売り」するような感覚が伴うことがあります。
トレーナー個人が重視するクライアント一人ひとりへのカスタマイズされたアプローチと、会社の方針とが合わないことも、辞めたいと考える一因となります
集客の難しさ
フリーランスでパーソナルトレーナーとして活動する場合、集客は大きな課題です。
特に競争が激しい業界であるため、新規クライアントを獲得し、継続して利用してもらうためには、マーケティングスキルや人脈の構築が不可欠です。
この集客の難しさが、仕事を辞めたいと思う理由の一つとなることもあります。
パーソナルトレーナー資格の取得は、スキルを証明の一つとなりますが、集客スキルまで学べるものではないためトレーナー自身が学ぶ必要があるのです。
これらの理由を理解し、対策を講じることで、パーソナルトレーナーとしてのキャリアを再考し、自分に合った働き方を見つけ出すことが重要です。
また、仕事を辞めることを考える前に、これらの問題に対する解決策を模索することも、将来のキャリアにとって有益なステップとなるでしょう。
後悔しないための判断基準
パーソナルトレーナーとして働く中で、仕事を辞めたいと感じる瞬間は誰にでも訪れるかもしれません。
しかし、実際に辞めるべきかどうかを決める前に、後悔しないための慎重な判断が必要です。
以下に、そのための重要なポイントを挙げます。
1. なぜ辞めたいのか、具体的な理由を明確にする
辞めたいと感じる背景には、多くの場合、具体的な理由が存在します。
それは労働条件の不満かもしれませんし、キャリアパスに対する不安、職場の人間関係の問題など、様々です。
自分がどの点に最も不満を感じているのか、それを明確にすることが第一歩です。
2. 辞めた後の生活を具体的にイメージする
職を辞めた後の生活を具体的に想像してみましょう。
収入源はどうなるのか、新たな仕事は見つかりそうか、キャリアプランはどのように変わるのか。
これらを明確にすることで、辞めることのリアルな影響を理解できます。
3. 他の解決策を検討してみる
仕事を辞める以外にも、現状を改善する方法があるかもしれません。
例えば、職場内でのポジションの変更、労働条件の再交渉、スキルアップのための研修参加など、解決策を探ってみましょう。
4. 十分な情報収集をする
転職市場の現状、新たな職場が提供できる条件、自分のスキルが市場でどのように評価されるかなど、十分な情報収集は非常に重要です。
これにより、より現実的な判断が可能になります。
5. 信頼できる人に相談する
家族、友人、同業の知人など、信頼できる人物に相談してみましょう。
客観的な意見や、あなたが気づかなかった視点を提供してくれるかもしれません。
また、キャリアカウンセラーや専門のコンサルタントに相談するのも一つの手です。
仕事を辞めるかどうかは、人生の大きな決断です。
焦らず、これらのポイントを一つ一つ検討しながら、自分にとって最善の選択をすることが大切です。
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4つのキャリアの選択肢
パーソナルトレーナーとしてのキャリアを終了すると決断した後、様々なキャリアパスが開けます。
それぞれの選択肢には、現在のスキルや経験を生かし、さらに成長する機会が含まれています。
スキルアップ
業界に留まることを選択した場合、さらなる資格取得や専門的なトレーニングを受けることで、スキルを向上させることが可能です。
例えば、特定のフィットネスプログラムの認定資格や、栄養学、リハビリトレーニングに関する追加の資格などがあります。
これらのスキルアップは、自身のサービスの価値を高め、より高い報酬を得るための道を開きます。
「パーソナルトレーナーの資格は独学で取得可能?10種類で徹底検証」
他業種への転職
パーソナルトレーナーが持つスキルセットは、フィットネス業界外でも高く評価されます。
コミュニケーション能力、顧客管理、モチベーション向上などのスキルは、顧客サービス、セールス、コーチングなど様々な職種で求められています。
たとえば、健康食品会社のセールスや福利厚生プログラムのコーディネーター、企業のウェルネスプログラムのマネージャーなどが転職先として考えられます。
- 営業職
- 接客業
- ベンチャー企業
こうした仕事への転職でパーソナルトレーナーのユニークな経験を活かすことができるでしょう。
他のパーソナルジムへ転職
同じフィットネス業界内であっても、ジムやフィットネスクラブによって条件や理念は大きく異なります。
現在の職場が合わないと感じる場合、より自分の価値観やキャリア目標に合った他のパーソナルジムへの転職も一つの選択肢です。
新しい環境は、新たな学びや成長の機会を提供してくれるかもしれません。
特に、固定給とは別のインセンティブの割合がパーソナルジムの場合では、ジムによって大きく異なります。
参考例 パーソナルジム かたぎり塾
平均月収 30万円
独立・起業
自身のビジネスを立ち上げることも、パーソナルトレーナーにとっては魅力的な選択肢です。
フリーランスとして独立する、オンラインでパーソナルトレーニングを始める、自分のトレーニング施設を開設するなど、方法は多岐にわたります。
独立・起業には、ビジネス運営の知識が必要になりますが、自分自身のビジョンに基づいて仕事をすることができるため、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
これらのキャリア選択肢を検討することで、パーソナルトレーナーとしての経験を生かした新たな道を見つけ出すことができます。
重要なのは、自分自身の価値を理解し、それを最大限に活かせる場所を見つけることです。
「【完全ガイド】パーソナルジムを開業する前に絶対知っておくべきこと」
スキルアップして悩みを解決
パーソナルトレーナーとしてのキャリアにおいて、自身のスキル不足が辞めたいと感じる大きな理由の一つになることがあります。
特に、トレーニングの知識、食事の知識、メニュー設計、解剖学などの専門知識が予想以上に必要とされる場合、自信のなさから転職を考えるかもしれません。
しかし、このようなスキル不足は、適切な学習と努力によって克服可能です。
以下に、スキルアップのための具体的な解決策を紹介します。
資格取得
パーソナルトレーナーとしての資格は、知識と技能の両方を証明する有効な手段です。
国家資格や業界認定の資格を取得することで、専門性を高めるとともに、クライアントや雇用主からの信頼を得やすくなります。
資格取得には一定の勉強が必要ですが、これによって専門知識が深まり、自信を持って仕事に取り組めるようになります。
パーソナルトレーナースクールに通う
専門のトレーナースクールに通うことは、スキルアップのための効果的な方法の一つです。
実際のトレーニング方法、栄養学、解剖学など、実践に即した知識と技術を体系的に学ぶことができます。
また、経験豊富な講師から直接指導を受けることで、問題解決能力やクライアント対応スキルも向上します。
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オンラインサロンで学習する
近年、オンラインで学べる環境が整ってきています。
オンラインサロンやウェビナー、動画教材を活用することで、自分のペースで学習を進めることができます。
特に、忙しい日常の中でも、スマートフォンやパソコンがあればいつでもどこでも学習できるため、時間や場所に縛られずスキルアップが可能です。
スキル不足を感じている場合、すぐに転職を考えるのではなく、まずは自分の能力を高めることを検討しましょう。
スキルさえ向上すれば、現在の仕事に対する不安や不満が解消され、より充実したキャリアを築く可能性があります。
スキルアップには時間と努力が必要ですが、それによって得られる自信と満足感は、計り知れない価値があります。
転職キャリアの進め方
パーソナルトレーナーの転職活動は、新たなキャリア機会を探求する上で重要なステップです。
ここでは、特に「他のパーソナルジムへの転職」と「他業種への転職」の二つの方向性に焦点を当て、成功へのポイントを探ります。
他のパーソナルジムへの転職
パーソナルトレーナーとしての経験を活かしつつ、より良い労働条件や自分の理念に合致する職場を求める場合、他のパーソナルジムへの転職が適しています。
この選択肢を選ぶ際には以下のポイントが重要です。
- 市場調査:転職先のジムが提供する環境、コンセプトや企業理念、顧客層を理解すること。
- 自己PR:自身のトレーニングスタイルや成果、クライアントへの影響を明確に伝える能力。
- 条件交渉:労働条件、報酬、キャリアアップの機会について、事前に明確に交渉すること。
「「例文つき」パーソナルトレーナー向け。志望動機を書くコツと考え方。」
他業種への転職
パーソナルトレーナーが持つコミュニケーションスキルは、営業職や接客業など他業種でも非常に価値があります。
これらの職種では、顧客との効果的なコミュニケーションが成功の鍵となるため、パーソナルトレーナーの経験は大きな強みとなります。
- 営業職:顧客のニーズを理解し、適切なサービスや商品を提案する能力。パーソナルトレーニングで培った聞き取りや課題解決のスキルが活かせます。
- 接客業:高いサービス精神と顧客満足を追求する姿勢。トレーニング中の顧客対応経験が、顧客との信頼関係構築に貢献します。
転職成功のための一般的なポイント
- 強みや弱みの理解:自分の能力と改善点を把握し、それに基づいて転職活動を行います。
- 希望職種や業界の明確化:具体的な目標を持つことで、適切な求人を見つけやすくなります。
- 書類準備:履歴書や職務経歴書を丁寧に作成し、自己PRを効果的に行います。
- 面接対策:事前の準備を通じて、面接官に自信を持って自己紹介できるようにします。
- 転職エージェントの活用:専門のアドバイスやサポートを受けながら、効率的な転職活動を展開します。
パーソナルトレーナーから他のパーソナルジムへ、あるいは全く異なる業種への転職を考える際、これらのステップとポイントは、転職を成功させるために非常に重要です。
パーソナルトレーナーの経験を活かして新しいキャリアへと進む際には、自身の強みを理解し、適切な職種や業界を選択することがカギとなります。
営業職や接客業など、コミュニケーションスキルを重視する職種への転職は、パーソナルトレーナーとしての経験を有効に生かす絶好の機会です。
また、転職エージェントの利用は、転職活動をサポートしてくれるだけでなく、あなたに合った職場を見つけるための貴重なリソースとなります。
エージェントを通じて、履歴書や職務経歴書のブラッシュアップ、面接対策、そして幅広い求人情報へのアクセスが可能になります。
転職を考える際には、これらのポイントを念頭に置きながら、自己分析と市場調査を行い、計画的に行動することが、理想的なキャリアチェンジを実現するための鍵です。
あなたの経験とスキルを最大限に活かし、新たな職場でさらなる成長を目指しましょう。
フリーランスへのステップアップ
フリーランスとしてパーソナルトレーニングのキャリアを築くことは、スキルや集客力に自信がある場合に非常に良い選択肢です。
正社員としての働き方に限界を感じ、より高い収入を目指したい、柔軟な働き方を求めている方には特にお勧めします。
案件の獲得・集客
フリーランスとして成功するためには、効果的な集客方法を見つけることが重要です。
SNSを活用して自分のトレーニングサービスを宣伝することは、特にコスト効率が良く効果的です。
InstagramやFacebookなどでトレーニングの様子や成果を共有することで、潜在的なクライアントの関心を引き、信頼を築くことができます。
また、既存のクライアントからの口コミも非常に強力な集客ツールとなり得ます。
クライアントの成功体験を共有し、彼らからの推薦を促すことで、新たなクライアントを獲得しやすくなります。
収入管理
フリーランスとして活動する上で、自分自身で収入を管理する必要があります。
これには、適切な価格設定、収入の記録、税金の申告などが含まれます。
自分のサービスの価値を適切に評価し、市場とのバランスを取りながら価格設定を行うことが重要です。
また、収入や経費を正確に記録し、税務申告に備える必要があります。
リスク管理
フリーランスのキャリアには多くのメリットがありますが、収入の不安定さなどのリスクも伴います。
収入が不安定な場合、貯蓄や予備資金の管理が重要となります。
また、仕事の依頼が途切れないように、常に新たなクライアントを獲得するための努力も必要です。
さらに、健康保険や年金など、自身で福利厚生を管理する必要があるため、これらについても事前に計画を立てることが重要です。
自己分析を行い、フリーランスとしてのキャリアに挑戦する準備が整っているなら、それは非常に報われる選択となり得ます。
自分の能力と努力次第で、限界以上の収入を得ることが可能ですし、仕事の柔軟性や自由度も大幅に増します。
ジム開業
ジムの経営は、パーソナルトレーナーとしての経験やスキルを活かしてキャリアを一歩進める魅力的な選択肢です。
自分のビジネスを立ち上げることで、より大きな収益を目指すことができますが、成功への道は慎重な計画と準備が必要です。
①自分で開業する
自分でジムを開業する場合、以下のステップを踏むことが一般的です。
- 開業資金を準備する:ジムを開業するためには、資金計画が重要です。機器の購入、施設のリースや改装、初期の運転資金など、開業に必要な費用の見積もりを行い、資金調達の方法を検討します。
- 開業場所を決める:立地はジムの成功に直結します。ターゲットとする顧客層がアクセスしやすい場所を選び、競合との距離も考慮する必要があります。
- 必要な設備を整える:ジムのコンセプトに合わせて、トレーニング機器や施設内装を計画します。顧客が求めるサービスを提供できるよう、設備投資は欠かせません。
- 顧客獲得の戦略を立てる:マーケティング計画を策定し、SNSやウェブサイト、地域コミュニティでの宣伝活動を通じて顧客を獲得します。オープニングキャンペーンやリファーラルプログラムなども有効です。
②フランチャイズでジム経営する
フランチャイズモデルを利用すると、既存のビジネスモデルに基づいてジムを運営できます。これには以下のメリットがあります。
- ブランドの認知度:既に市場で認知されているブランドの下でビジネスを開始できるため、顧客獲得が容易になります。
- 運営ノウハウの提供:フランチャイズ本部から、経営やマーケティング、運営に関するサポートを受けられます。
- リスクの低減:独立開業に比べ、フランチャイズは成功の確率が高く、リスクが低いとされています。
しかし、フランチャイズ料やロイヤリティの支払い、本部の方針に従う必要がある点など、留意すべき点もあります。
フランチャイズでのジム経営を検討する場合、契約条件やビジネスモデルを十分に理解し、自身のビジョンと合致するか慎重に評価することが重要です。
ジム経営には、独立開業とフランチャイズ運営の両方の選択肢があり、それぞれにメリットと課題があります。
自身のビジネスに対するビジョン、資金調達能力、リスク許容度を考慮して、適切な選択を行うことが求められます。
自分自身の状況や目指す方向性をしっかりと考慮した上で、最適な道を選択しましょう。
フリーランスとしての独立や、フランチャイズオーナーとしての経営は、それぞれに適した準備と覚悟が必要ですが、成功した際の報酬と満足感は大きいものがあります。
自分の夢を実現するための一歩を踏み出しましょう。
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WRITER 戸田 明宏
2ndPASSスクール/編集部/Webディレクター
保有資格:NESTA-PFT、NESTA-WMT
Webディレクター:Web広告、SEO、ホームページ集客
2ndPASSスクールではホームページ運用やサイト制作を、主に卒業後の生徒に向けてサポート
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