多くの社会人が目標とする年収1000万円。
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、年収1000万円を超える方の割合は、給与所得者全体でも4.6%しかいません。
理学療法士で年収1000万円を目指している方もいると思いますが、本業だけで稼ぐのは難しいと言われています。
一方で実際に稼いでいる理学療法士の方もいます。
では、どうすれば理学療法士が年収1000万円に到達、または収入がUPするのでしょうか?
今回は理学療法士が年収1000万円を稼ぐのが難しいと言われている理由を、収入がUPする方法と合わせて紹介していきます。
理学療法士で年収1000万円は難しい?平均収入とは
本題に入る前に、理学療法士の平均年収を見てみましょう。
スポーツトレーナーの国家資格の一つである理学療法士。年収は高いと考える人も多いのではないでしょうか
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均年収は418.9万円となっています。
ちなみに、国税庁「令和2年分(2020年) 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は433万円です。
このことから理学療法士の年収は、給与所得者の平均年収よりも低いことがわかります。
「国家資格者や専門職は給与が高い」と思われがちですが、それらすべての職種の給与が高いとは限りません。
ほかの医療職の平均年収も確認してみましょう。
職種 | 平均年収 | 平均年齢 | 勤続年数 |
---|---|---|---|
理学療法士 | 418.9万円 | 33.9歳 | 6.5年 |
医師 | 1440.3万円 | 45.5歳 | 7.1年 |
薬剤師 | 565.1万円 | 41.2歳 | 8.5年 |
看護師 | 491.8万円 | 41.2歳 | 8.9年 |
平均年齢や勤続年数の違いもありますが、理学療法士の平均年収は他の医療職と比較してもかなり低いことがわかります。
では、なぜ理学療法士の年収は低いのか?年収1000万円を稼ぐのが難しい理由を解説していきます。
理学療法士が年収1000万円を本業だけで稼ぐのが難しい理由。
理学療法士の仕事だけで年収1000万円を稼ぐのは現実的ではありません。
医療保険や介護保険分野で働いている限り、年収1000万円を稼ぐのは困難です。
それには3つの理由があります。
- 医療制度的に限界がある
- 1単位20分という時間制限
- PT人口の増加に伴う供給過多
それぞれの稼げない理由について解説していきます。
理由① 年収1000万を妨げる、医療制度的な限界
年収1000万円を目指したいのであれば「理学療法士はやめとけ」という声が少なくありません。
これはそもそも業界のお金の動きが関係しています。
リハビリに限らず、医療保険が適応される医療行為は診療報酬制度によって料金が定められています。
診療報酬とは、保険医療機関及び保険薬局が保険医療サービスに対する対価として保険者から受け取る報酬のこと。
診療報酬制度は厚生労働省によって定められており、理学療法士の治療に対して支払われる金額もこの診療報酬によってすでに決まっています。
つまり、すでに金額が国により定められているため、いくら質の良い治療を提供したからといっても支払われる対価が上がるわけではないのです。
「ならば、より多くの患者を治療すれば、収入が増えるのでは?」
と考える方もいるでしょう。
しかし理学療法士が治療できる患者さんの数や時間には上限があります。
上限が設定されているということは、得られる診療報酬にも上限があるということになります。
理学療法士が稼ぐことのできる金額には、医療制度的に上限があるということなのです。
また、国が設定した上限だけでなく財政的な問題もあります。
これは少子高齢化に伴う医療費の増加が関係しています。
この医療費を削減するために、リハビリテーションを含めた診療報酬は減額される傾向にあります。
これは理学療法士の働く施設の利益にもマイナスに作用し、10数年前よりも理学療法士の収入は減少傾向にあるのです。
〈参考〉
理由②1単位20分という時間制限
先ほど、医療行為はすべて診療報酬によって料金が定められていると話しましたが、その料金は点数で定められています。
この点数は施設基準(規模など)や病気の種類によって細かく分けられています。
例えば
- 初診料は○点
- レントゲン○点
など、1つの処置ごとに点数が支払われていきます。
リハビリの場合、治療時間が20分1単位と決まっており、治療する患者さんの疾患と何単位治療したかにより報酬が決まります。
また、1日に取得できる単位も24単位と制限があります。
ほかの医療行為は1つの処置で点数がつきますが、リハビリの場合のみ時間で点数が計算されるのです。
つまり、理学療法士などのリハビリ職の場合、必ず一定時間拘束されるので多くの患者さんを治療できません。
さらに1日の単位数も制限されているため、理学療法士の売上を時間あたりで換算すると非常にコスパが悪いと言えます。
このように稼げる金額に限りがあるため、病院や施設側もリハビリ職に還元できる金額が少なくなるのです。
理由③ 理学療法士の増加に伴う供給過多
理学療法士の人口が増えすぎたことが、彼らが稼げない最も大きな理由の一つです。
理学療法士が少なかった頃は希少性が高く、給与などの待遇が良い時代もありました。
しかし現在では、理学療法士は年々増えてきており、毎年1万人前後の理学療法士が誕生しています。
日本理学療法士協会の統計によると、理学療法士の有資格者は19万人を超えています。
厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会|理学療法士・作業療法士需給分科会」によると、理学療法士の供給数が2040年には需要数の約1.5倍になると推測されています。
一般的に需要が供給よりも大きい場合は商品やサービスの価格が上がり、供給が需要よりも大きい場合には価格が下がります。
そのため、2040年頃には理学療法士の給与がさらに低くなることが予想されます。
希少性が高く引く手あまただった理学療法士も、需給のバランスが崩れ、給与や待遇はどんどん悪くなると考えられています。
〈参考〉
厚生労働省|医療従事者の需給に関する検討会 第3回 理学療法士・作業療法士需給分科会
日本理学療法士協会公式サイトより引用
資格を活かし、年収1000万円稼ぐには?収入を上げるには?
理学療法士が本業だけで年収1000万円を稼ぐのは難しいです。
なぜなら、前章で解説した通り、理学療法士はスキルや経験年数に関係なく、業界的に年収1000万円を稼ぐのが難しい職種だからです。
しかし、年収1000万円稼ぐのが難しいのはあくまで本業だけで稼いだ場合です。
本業で稼ぐことのできる年収には限界がありますが、働き方を少し変えるだけで理学療法士でも年収1000万円、収入をUPできます。
理学療法士の収入がUPする方法は以下の通り。
- 副業
- 転職(他職種・海外)
- 独立開業
本業でしか稼ぐことを考えていなかった方からすると、副業や独立なんて寝耳に水でしょう。
本業だけでは年収に限界がありますが、これから紹介する働き方を取り入れられれば、収入UPの可能性は無限に広がります。
では、それぞれの働き方について詳しく解説していきます。
理学療法士の資格を活かし副業で年収1000万を目指す
本業で年収UPが見込めない理学療法士の方には副業をおすすめします。
副業をする方は年々増加傾向にあります。なぜなら、政府が働き方改革の一環として副業を推進しているからです。
厚生労働省は2018年1月から「モデル就業規則」を改定、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除しました。
さらに、副業に関する規定を新設したことにより、副業をする方が増えました。
このように国でも副業をおすすめしているのです。
ただ副業を始めるのではなく、理学療法士の資格を活かせる副業を検討しましょう。
資格を利用すれば、報酬の高い副業を見つけることができます。
ただ注意したい点がひとつ。
国が副業を勧めていても、あなたが働く職場で副業が禁止されている場合は副業ができません。
副業を検討する場合は、必ず就業規則を確認しましょう。
今回は理学療法士の資格を活かせるおすすめの副業を3つ紹介します。
- パーソナルトレーナー
- 記事の監修・執筆
- セミナー講師
それぞれの副業について詳しく解説していきます。
〈参考〉
厚生労働省|「働き方改革」の実現に向けて
厚生労働省|モデル就業規則について
パーソナルトレーナー
まず最初におすすめする副業は、パーソナルトレーナーです。
理学療法士は身体や動作の専門家。
パーソナルトレーナーであれば、理学療法士の知識やスキルを活かして働くことができます。
パーソナルトレーナーとして活動するために必須の資格はありません。
トレーニングや食事のプログラムを作成できれば、誰でもパーソナルトレーナーを名乗ることができます。
つまり、身体や動作の専門家である理学療法士であれば、すぐにでもパーソナルトレーナーを名乗ることができるのです。
また、理学療法士という国家資格を持っていることで、お客様に安心と信頼を与えることができます。
そのため、副業のパーソナルトレーナーでも、トレーナー活動を有利に進めることが可能です。
パーソナルトレーナーは料金設定も自由です。スキル次第では時給1万円を稼ぐことができます。
- 相場は5,000円〜10,000円の間
- 1時間5,000円から多い方で20,000円まで
トレーナーによって料金設定はさまざまです。
自分で料金を設定できるので、副業で稼ぎたい理学療法士の方におすすめです。
理学療法士としての知識やスキルを活かせたり、高収入を望めるパーソナルトレーナーですが、デメリットもあります。
パーソナルトレーナーのデメリット
- 場所を用意しなければならない
- 病院のように医師の指示の下ではないので、理学療法という治療は取り入れられない
とはいえ店舗を持っていなくても、レンタルジムを利用すれば、休みの日や仕事終わりにパーソナルトレーナーとして働くことが可能です。
資格がなくてもパーソナルトレーナーとして活動できますが、パーソナルトレーナーの資格を取得してから活動したい方も多いでしょう。
理学療法士は専門的な知識はありますが、トレーニングを指導し、お客様を満足させる術はパーソナルトレーナーよりも未熟です。
お客様の心をつかむことができなければ、継続して利用してもらうことはできません。
パーソナルトレーナー養成スクールに通うことで、足りない実践力を補うことができます。
そこでおすすめなのが2ndPASS(セカンドパス)です。
2ndPASS(セカンドパス)は、国際認定資格取得実績業界No.1のパーソナルトレーナースクールです。
実技指導に加え、オンライン授業もあるため、本業で忙しい方でも受講することができます。
本格的にパーソナルトレーナーとして活躍していきたい理学療法士の方はぜひ検討してみましょう。
▼パーソナルトレーナーになるための資格や仕事内容に関してはこちらで詳しく解説しています。
記事監修・ライター活動
理学療法士の資格と経験を活かし、記事の監修や執筆など、Webライターを副業とする方もいます。
この仕事に必要なもの
- パソコン
- ネット環境
そのため自宅でスキマ時間にできる副業として人気です。
ただのライターではなく、理学療法士の知識をもとに、専門性の高いライターとして活躍できます。
国家資格は信頼材料のひとつ。専門性が高いと認められれば、単価をUPすることができます。
通常、WEBライターの報酬は
- 1文字あたりの○円の文字単価
- 1記事あたり○円の記事単価
に分かれています。
報酬は、記事の種類や専門性、ライターのスキルによって変動します。
「ライター初心者や未経験では稼げない」と言われていますが、国家資格を持つライターは貴重。
つまり、ライター初心者だとしても、理学療法士という専門性が高い資格を持っていれば高単価で仕事を受注することができる可能性が高いのです。
具体例
私の場合は、理学療法士の資格を必要としない記事の文字単価は2円、資格を必要とする記事の文字単価は4円となっています。
5,000文字を執筆したとすると、
- 文字単価2円→10,000円
- 文字単価4円→20,000円
専門性の高い資格があるだけで、報酬は高くなるのです。
場合によっては、記事を執筆するだけでなく専門家の視点で記事をチェックする監修者として活動することも可能です。
専門的な記事の値段は1記事で1万円〜、高くて10万円もの報酬をいただける場合もあります。
Webライターは、理学療法士の専門性を活かしながら副業ができますが、デメリットもあります。
ライターのデメリット
- 慣れるまでは執筆に時間がかかる
- 収入が安定しにくい
1記事書いて契約が終了するパターンもあります。
高収入を狙うのであれば、理学療法士という専門性を売りにして継続的に契約してくれるクライアントを見つけましょう。
自宅でスキマ時間に副業をしたい理学療法士には、Webライターがおすすめです。
セミナー講師
理学療法士の知識と技術、これまでの経験を活かして、副業でセミナー講師を始めてみるのもいいでしょう。
セミナーは主に2種類
- 一般向け
- 同業者向け
一般向けには健康講座や介護予防セミナーなど、同業種には臨床で役立つ知識や手技に関するセミナーなどがあります。
セミナー講師になれば、地域貢献をしつつ、収入をUPさせることができます。
一般向けのセミナーは、地方自治体のホームページや保健所に問い合わせをすることで活動できるので、セミナー講師が初めての方でも始めやすいです。
報酬はセミナーの規模にもよりますが
- 通常の理学療法士の場合は数万程度
- 教授レベルになると何十万
とも言われています。
場合によっては高収入を狙えるセミナー講師ですが、デメリットもあります。
デメリット
- 資料作りがある
- 高い技術や話術が必要
セミナー講師は初心者にはハードルが高いですが、地域貢献やキャリアアップなどやりがいにつながります。
人前で話すのが好きな方や地域貢献をしたい方、人脈を広げたい方におすすめの副業です。
理学療法士のスキルを活かし、転職できる道
次に理学療法士のスキルを活かして、転職できる道を紹介します。
理学療法士の資格を取得したのだから、医療現場や介護現場で働かなければならないと思う方も多いでしょう。
しかし、実際にはほかの現場で働く理学療法士もいます。ここでは、理学療法士のスキルを活かしつつ、収入もUPできる転職先を3つ紹介します。
- 一般企業に転職する
- パーソナルトレーナーに転職する
- 海外へ転職する
それぞれの転職について詳しく紹介します。
一般企業に就職する
理学療法士業界の中でメジャーではありませんが、一般企業に転職する方もいます。
「理学療法士のスキルを活かせる職場は、病院や介護施設などしかない」と思っている方もいますが、実際はそうではありません。
日本理学療法士協会の統計によると、理学療法士協会会員のうち、一般企業で働いているのは155人。
すでに企業で働き始めて退会している会員もいるかもしれないので、実際に一般企業で働いている理学療法士はもう少し多いでしょう。
求人数は少ないですが、理学療法士の専門知識を必要としている一般企業もあるのです。
例えば、
- 医療機器メーカーで医療機器の開発や研究
- 住宅関係でバリアフリーなどの住宅環境のアドバイスや環境設備
などがあります。
ほかにも従業員の健康の保持、増進、障害を予防するために、理学療法士を募集している一般企業もあります。
理学療法士はヒトの身体と動きを熟知しているため、
- 健康に働くための身体づくりとケア
- 効率の良い身体の動かし方
- 適切な作業環境
など、社会で働く人々の労働災害の予防と生産性向上への手助けができます。
このように、医療現場や介護現場以外でも理学療法士は活躍できるのです。
就職する企業にもよりますが、年収UPも期待できます。
なぜなら、診療報酬という制限がないからです。大手企業に転職できれば、年収1000万円も夢ではありません。
今回紹介した企業以外にも理学療法士の専門性を活かせる分野があるはず。
理学療法士として、やりたい分野や挑戦したい分野があるのであれば、求人がなくても、自ら企業にアピールしてみてもいいでしょう。
〈参考〉
パーソナルトレーナーに転職する
副業でもおすすめしましたが、理学療法士の知識やスキルを活かすなら、パーソナルトレーナーへの転職もおすすめです。
理学療法士とパーソナルトレーナー、どちらの仕事内容も、
- 身体に関する知識が必要
- 動作の指導をおこなう
という点で共通しています。
パーソナルトレーナーへ転職するには、2つの方法があります。
1つはパーソナルジムの正社員になる、もう1つは独立開業する方法です。
後者は次章で解説するので、ここでは割愛させていただきます。
ここでは、パーソナルジムの正社員に転職した場合の収入について解説します。
雇用されている立場なので当たり前ですが、正社員の場合、自分で料金を設定することができません。
パーソナルジムによって給与形態は異なりますが、主に以下の3つに分かれています。
- 基本給
- 基本給+歩合給(インセンティブ)
- 完全歩合給
基本給は、決められた時間働いていれば、必ずもらえる給料です。
インセンティブは基本給にプラスして支払われるお金になります。
歩合給は指名やトレーニングを指導した回数によって、報酬を受けられる制度です。
つまり、担当する顧客が増えれば増えるほど、給料に反映され、年収がUPします。
人気のパーソナルトレーナーになれば、給料が2倍になることもあります。
パーソナルトレーナーの基本給のみで年収1000万円は難しいですが、インセンティブや完全歩合給のパーソナルジムでは高収入を狙うことが可能です。
≫パーソナルトレーナーの年収・給料の実態を詳しく知りたい方はこちら
海外へ転職 *難易度高
理学療法士で年収1000万円を目指すのであれば、海外への転職も選択肢の一つです。
なぜなら、理学療法士に開業権がある国が多いからです。日本の理学療法士には開業権がありません。
しかし、日本理学療法士協会の報告書によるとアメリカ・イギリス・ドイツなどの国々には開業権があります。
また、これらの国々では理学療法士の社会的認知度が高く、年収も日本より高水準となっています。
特にアメリカでは理学療法士の社会的地位が高く、年収が900万円〜1000万円とも言われています。
「じゃあ海外で働こう!」と考える方もいると思いますが、日本で取得した理学療法士の免許ではほかの国で理学療法士として働くことはできません。
なぜなら日本を含め、各国の理学療法士免許はその国だけでしか使えないからです。
海外で理学療法士として働きたい場合は、その国で有効とされる理学療法士免許の取得や登録が必要になります。
すべての国の説明をすると大変なので、理学療法士で1番高収入が期待できるアメリカでの例を紹介します。
アメリカで理学療法士として働くためには、大学に加えて、理学療法士養成大学院(3年間)を卒業している必要があります。
これにプラスして、アメリカの理学療法士の国家資格であるNPTE(National Physical Therapy Exam)の取得が必須です。
理学療法士として海外で働くためには、どの国でも事務手続きが必要です。
当然ながら英語力も求められるので、十分な準備が必要になるでしょう。
大変だと思われるかもしれませんが、海外には日本では認められていない開業権があります。
理学療法士にこだわって年収1000万円を目指すのであれば、海外を視野に入れることも一つの選択肢でしょう。
〈参考〉
日本理学療法士協会|国際検証特別委員会報告書 理学療法士の法的位置づけに関する国際比較より
理学療法士が独立開業して年収1000万円を目指す方法
最後に紹介する理学療法士が年収1000万円を目指す方法は、独立開業です。
理学療法士には開業権がありません。
しかし、理学療法士で独立開業している方が増えています。
ここでは、理学療法士が開業するときの注意点と開業する方法を紹介していきます。
理学療法士が開業するときの注意点
理学療法士でも独立開業はできます。
しかし、その場合「理学療法」を提供することはできません。
なぜなら、理学療法士は「医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者」と法律で定義されているからです。
「開業している理学療法士は違法なのでは?」と考える方もいるでしょう。
結論から言うと、理学療法ではなく、違う事業として開業すれば違法ではありません。
理学療法士として独立開業することはできませんが、理学療法士の資格を持った他業種として開業することは可能です。
では、どのような業種で開業している理学療法士が多いのか、ここで紹介していきます。
〈参考〉
理学療法士法及び作業療法士法(昭和40年6月29日法律第137号)
整体師として開業する
整体という言葉には明確な定義がありません。
また、整体とは主に手技で骨格のゆがみを矯正し、筋肉や内臓のバランスを整え、健康増進・体質改善を図る民間療法です。
整体はあくまで民間療法のため、医療行為ではありません。
よって整体師という形であれば、開業することができます。
整体師は資格が必要ありません。
なので、治療や保険適応の施術を行うことはできません。
つまり、整体で行えることは、
- 身体の歪みを整える
- 硬くなった筋肉をほぐす、マッサージ
- 運動指導を行う
この3つになります。
整体師は資格がなくてもなれるので、信頼できないと思う方も多いです。
しかし、身体の専門家である理学療法士の資格を持った整体師として開業すれば、信頼を得ることが可能。
また、理学療法士としての知識があれば、お客様を満足させられます。
整体は保険適用外のため、料金設定が自分で行えます。
相場は、姿勢矯正が1回60分で5,000円〜8,000円となっています。
スキルや経験に応じて、料金を高く設定している整体師の方もいます。
つまり、経営が波に乗れば年収1000万円を稼ぐことも可能なのです。
※整体院と混同されがちな「接骨院」や「整骨院」の開業には「柔道整復師」という国家資格が必要です。
パーソナルトレーナーとして独立開業し年収1000万を目指す
前章の副業や転職でも紹介してきたパーソナルトレーナー。
理学療法士でパーソナルトレーナーとして開業する方法もあります。
パーソナルジムを開くのに、資格は必要ありません。
また、パーソナルトレーナーを名乗るのに必要な資格もありません。
そのため理学療法士でもパーソナルトレーナー業界に参入し、独立開業することができます。
理学療法士がパーソナルトレーナーとして開業する方法は3つ
- オンラインでのパーソナルトレーニング
- レンタルジムを活用したフリーランストレーナー
- パーソナルジム(店舗)を開く
トレーニングといえばジムや店舗に行って鍛えるのが主流でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いオンライントレーニングの需要も増えています。
フリーランスのパーソナルトレーナーは副業でも紹介したパターンを、本業として取り組む方法です。
オンラインと店舗型の違い
オンライン
・店舗型に比べると維持費がかからない
・細かいところまで指導できない
・器具を使ったトレーニングができない
店舗型
・維持費がかかる
・直接細かいところまで指導できる
・器具でのトレーニングを導入できる
どちらも一長一短なので、パーソナルトレーナーとして開業する場合はあなたに合う方法で開業しましょう。
≫ジムの開業で失敗したくない方はこちら
まとめ
理学療法士が本業だけで年収1000万円を目指すのは難しいです。
それでも年収1000万円を目指すのなら、今の本業に加えた努力が必要。
理学療法士が年収1000万円を目指すには、副業・転職・独立開業などの方法があります。
おすすめの方法は、副業も転職も開業もできるパーソナルトレーナーになること。
なぜなら、理学療法士としての知識とスキルがあれば、比較的参入しやすいからです。
資格がなくてもパーソナルトレーナーになれるため、理学療法士の資格があればパーソナルトレーナーの資格は必要ないと思うかもしれません。
しかし、相手にするお客様が違うため、パーソナルトレーナーに必要な知識と技術を再度学ぶことも大切です。
トレーニングに関して詳しく学ぶためには、パーソナルスクールが1番の近道。
実際に2nd PASSに入校し、理学療法士からパーソナルトレーナーへなった方もいます。
- パーソナルトレーナーに興味のある方
- 理学療法士のスキルを活かして高収入を目指したい方
- パーソナルトレーナーの知識や技術も身につけたい理学療法士の方
「パーソナルトレーナースクール2ndPASS(セカンドパス)」を利用してパーソナルトレーナーを目指してみませんか?
-
WRITER かなかず夫婦
Webライター・Youtuber
SNSの総フォロワー7.1万人超。
理学療法士の国家資格を持つフリーランスWebライター。医療系大学卒業後、総合病院や介護老人福祉施設に5年間勤務。
現在はブログやInstagramなどWebを中心に活動中。
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