健康やフィットネスに関心が高まる現代、パーソナルトレーナーという職業は筋トレが好きな人にとって魅力的に映ることでしょう。
自分の知識やスキルを活かして、他者の健康や体型の向上に貢献できるというのは、確かに心からの満足感を得られる仕事です。
一方で「パーソナルトレーナー、やめとけ」という意見も少なくありません。では、実際のところ、パーソナルトレーナーとしての生活はどのようなものなのでしょうか?
この記事ではパーソナルトレーナーの働き方、やめてしまう理由とその解決策についてまとめていきます。
特にこれからパーソナルトレーナー転職をお考えの人にとって、せっかくの新しいキャリアのスタートを良いものにできるよう参考にしていただけると幸いです!
パーソナルトレーナーの仕事の魅力・やりがい
多くのパーソナルトレーナーは「好きな筋トレを仕事にしたい」と考えます。
その魅力は、クライアントの健康や体型向上に直接関わり、成功時には「ありがとう」という感謝を直接受け取れること。
この感謝は、筋トレの趣味が仕事の成果として形になった時の大きなやりがいとなります。
業務委託やフリーランスとしての働き方を選択することで、「自由な働き方」が可能となります。
特に、自分のライフスタイルや家庭の事情に合わせて、効率的に働くことができるのは大きな魅力の一つです。
フリーランスで働く場合、月収50万円〜100万円と、高収入を得るトレーナーも珍しくはありません。
「パーソナルトレーナーはやめとけ」と言われる理由。
「好きな筋トレを仕事にしたい」という気持ちでパーソナルトレーナー資格を取り、キャリアを始める人が多いのは事実です。
しかし、筋トレと直接関わらない業務もパーソナルトレーナーの仕事には欠かせません。このギャップを知らずに業界に飛び込むと
「思ってた仕事ではなかった」「想像と違った」「こんなはずじゃなかった」
という感情が湧き上がることも。
業界自体がまだ日本では10年ほどの歴史しかないため、正確な情報を手に入れるのは難しいのも事実です。
しかし後悔ないキャリア選択のためには、しっかりとした情報収集が必要不可欠です。
「パーソナルトレーナーの転職はやめておけ」という意見の本質を正確に読み解くと、業界のリアルを事実をベースに把握せず転職すると「思っていた仕事と違った」というギャップが生じてしまうことなのです。
実際によくあるパーソナルトレーナー転職後に感じられることの多いギャップを確認していきましょう。
パーソナルトレーナー業界のリアル「ギャップと解決策」
勉強量の多さと継続学習の必要性
トレーナーとしてのスキルアップのため、解剖学や栄養学などの専門知識の継続的な学習が必要です。勉強や新しいことを学び続ける姿勢がない人にとっては、パーソナルトレーナーのお仕事は難しいかもしれません。
パーソナルトレーニングジムは現状、新規出店が多い業界です。(2023年9月現在)
ライバル店舗が働いているジムの周りにいつ現れてもおかしくはありません。
そのため、他のパーソナルジムではなく、あなたを選んでもらえるスキルを磨く必要があります。
解剖学と栄養学の豊富な知識は、顧客満足度を高めるためリピート率向上につながります。
2ndPASSパーソナルトレーナースクールでは、完全未経験の人でも6ヶ月で資格取得し、現場レベルの実技スキルを習得します。
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会社から求められるノルマと押し売りの感覚
パーソナルトレーナーとしての業務には、会社のノルマを達成するためのプレッシャーや、クライアントにサービスを「押し売り」するような感覚が伴うことがあります。
- プロテインやサプリメントの販売数
- 新規のお客様の獲得数
- 既存のお客様の継続率
特に勉強熱心なパーソナルトレーナーほど、ノルマに課されたことが「本当はお客様にとって必要ないものまで売らなければいけないのでは?」と感じることがあります。
そうしたパーソナルトレーナーは業務委託やフリーランス活動に切り替えることで、「やっていること」と「やりたいこと」のギャップが起こらないよう対処することが可能です。
また全てのパーソナルジムが物販のノルマを課しているではありません。あくまで物販は基本給にプラスアルファするインセンティブの位置付けで設定しているパーソナルジムもあるため、別のパーソナルジムに転職することで、上記の問題に対処することができます。
収入を安定させる難しさ(個人事業主のトレーナーのみ)
クライアントの数やセッションの頻度によって収入が変動するため、安定した収入を得るのは難しい場合があります。
正社員のパーソナルトレーナーであれば、集客は基本的にパーソナルジムが行うため基本給で収入が保障されます。
一方で業務委託やフリーランスのパーソナルトレーナーは自分自身で集客をする必要があります。
頑張ればその分、トレーナーの平均年収の倍は稼ぐこともできますが、売り上げ0も可能性もあります。
独立前に集客・マーケティングのスキルを学んでおくこと。できれば独立する前に少しづつでも集客スキルを実践しておくことで、こうしたリスクは払拭できます。
会社からWeb集客を任せられることがある。
中小規模のジムでは、パーソナルトレーナーにWeb集客の業務も任せられることがあります。
新しいスキルを学ぶことにやりがいを感じるパーソナルトレーナーがいる一方、Web集客の知見がないと、任せられた仕事で成果をなかなか出せず、それがストレスになってしまうことがあります。
- Instagramアカウント運用
- ホームページ運用
「好きな筋トレを仕事にしたい」とパーソナルトレーナーの道を選んだ人にとって、Web集客・マーケティングの業務は想定外である人が大半でしょう。
トレーニング・セッション以外のお客様対応が思ったより多い
トレーニングセッション以外にも、クライアントの相談対応やアフターフォローなど、多岐にわたる対応が求められます。
- ラインでの毎日の食事指導 (お客さまの人数分)
- 業務と直接関係のないお悩み相談(メンタルケアも大切)
トレーニングを教えることで忙しくなることはトレーナーになる前から想像できても、トレーニング以外で多忙になり、残業が重なる点を見落としてしまう人は少なくないでしょう。
スケジュール調整業務
お客様の都合や自身のスケジュールを考慮して、セッションの日程を調整する業務があります。
お客様の数が増えるほど、この業務は増えていきます。
数を抱えればこうした業務を手帳で行うことは、抜け漏れが発生しかなり難しいです。
うまく行っているトレーナーはアプリやツール等を活用し工夫することで、スケジュール調整の労務コストを効率化して対処します。
顧客管理業務
クライアントの情報管理やセッションの進捗管理など、顧客管理に関する業務もトレーナーの役割として求められます。
これらのギャップや課題を知ることで、後悔せずにトレーナーとしてのキャリアを築くための準備ができます。
次に、これらの課題を乗り越えるための方法やアドバイスについて詳しく解説します。
パーソナルトレーナーに向いてる人・向いていない人の特徴
どんな仕事でも人によって向き・不向きはあり、パーソナルトレーナーも例外ではありません。
これからパーソナルトレーナーへの転職をお考えの方は参考にしてみてください。
1. 継続学習できる人は向いている
◎ | 常に新しい知識を吸収したいと思う人。筋トレの勉強や最新のトレーニング方法に興味を持ち続けることができる人。 |
✖️ | 勉強したくない人。 |
ただし、学生時代の苦手意識があったからといって諦める必要は全くありません。学生時代に勉強が嫌い、苦手と感じた背景として「やらされている感覚」があった方も多いはず。
好きな筋トレの勉強なら楽しめると感じる人も多いので、一概に判断しないことが大切です。
勉強したことが、実際のトレーニングに役立ち、お客様からいただく感謝で勉強意欲が加速するケースは多くあります。
パーソナルトレーニングを受けるお客様は多種多様な体の悩みを抱えています。
資格持っているだけのレベルでは、現場でお客様に最適な対応ができない場合があります。そもそも勉強量が多く、資格取得は最低限の知識を保証するに過ぎません。
多くのお客様は腰痛や肩こりなどの不定愁訴を抱えています。こうしたお客様が来た際に、単にいつも通りの筋トレを教えるのか、それとも過去の怪我や既往歴を十分にヒアリングし、個別に対応するトレーニングを提供できるのかで、トレーナーのレベルが分かれます。
また、トレーニング理論や人体の知識は毎年更新されます。今の常識が来年覆ることもあるため、常に最新情報に触れておく必要があります。
だからこそ、勉強を拒む人はパーソナルトレーナーには向いていません。
2. コミュニケーション能力
◎ | 人とのコミュニケーションを楽しむ人。接客や営業のスキルを持っている、または磨きたいと思う人。 |
✖️ | 人との関わりを避けたい、またはコミュニケーションが苦手な人。 |
パーソナルトレーニングはそもそも接客業です。
お客様は筋トレを教わるだけでなく、パーソナルトレーナーとの関係を通じて「継続して頑張れる環境」という価値にお金を払っていることもあります。
多くのお客様は、「このトレーナーと一緒だから頑張れる」と感じることが継続の動機となります。
単に筋トレを正しく教えるだけではなく、お客様は感情を持った人間であるため、目標達成のためには最適なコミュニケーションを取り続ける必要があります。
例えば、
「今日もあっという間だった」
「めちゃめちゃトレーニング追い込まれるけど、このトレーナーとなら頑張れる」
といった声が聞かれるようなトレーニング中の雰囲気づくりが重要です。
もしも食事制限を守れなかったお客様がいた場合、頭ごなしに「食べないでください」というのはパーソナルトレーナーでなくとも誰でもできます。
しかし、
なぜ目標達成よりも、目先の食事をとってしまったのか?
それだけ日常的にストレスを抱えているのではないか? 食事の大切さが十分に説明できていなかったのではないか?
など、お客様の立場に立って親身に考えることもコミュニケーションの一つです。
例えば、女性のお客様で「旦那が家事を手伝ってくれない」「職場もストレスが多い」といった方がいる場合、とにかく話を聞いてあげて、ストレスを緩和させてあげる、といったコミュニケーションも時には求められるでしょう。
人間関係の対処、コミュニケーション、親身に寄り添いお客様のことを考えられる姿勢がある人は非常にパーソナルトレーナーに向いています。
3. 体型に関する認識
◎ | 健康的な体型を維持している人。 |
✖️ | 不健康な人。肥満体形の人。 |
よくある勘違いとして、「ゴリゴリのマッチョのみがトレーナーとして向いている」という誤解があります。
確かに、トレーナーは筋トレが好きだったことをきっかけに目指す人が多いため、体の大きい人が多いですが、これは必須条件ではありません。健康的な体型を維持していれば十分です。
お客様に健康指導をする以上、あまりに不健康な体型のトレーナーからの指導では、お客様はアドバイスを疑ってしまうことがあります。
重要なのは、健康的な体型を保ち、信頼性のあるアドバイスを提供することです。
また、大会に出る経験も必須ではなく、そのようなパーソナルトレーナーの方が少数派です。
必要なのはしっかりとした身だしなみ、清潔感、そして健康的な体です。パーソナルトレーナーは接客業でもあるため、お客様に不快感を与えないことが求められます。
今、肥満体型の人でも、自分のダイエットを成功させれば、そのプロセスはお客様へ指導するときの大きな糧となります。自分自身の成功体験をもとに、クライアントに対して具体的で実践的なアドバイスができるようになるでしょう。
このように、パーソナルトレーナーとしての説得力や信頼を得るためには、健康的な体型の維持が重要です。
完全未経験からパーソナルジムに就職する前に
パーソナルトレーナーとして働く前に、業界で感じることの多いギャップをしっかりと把握しておきましょう。
特に、最初のジム選びは非常に重要です。最初のジムが合わなければ、トレーナーとしての成長が遠回りになることもあれば、業界を辞めてしまうリスクも考えられます。
逆に、最初のジムが自分に合っていれば、その後のキャリアも順調に進むでしょう。
筋トレが好きで始めるものの、どの業界も就職前とイメージが違うことはつきもの。良いジム選びもある程度は確率論の側面がありますが、十分なリサーチがあれば、「大外れを引く確率を下げること」はできます。
ジム選びのポイント・ガイドライン
「未経験者OK」と謳っているパーソナルジムに安易に飛びつかないこと。人手不足が業界の課題の一つで、未経験者を受け入れるジムも増えていますが、その背景を理解することが大切です。
業界の歴史が10年と浅いため、トレーナーを育成する環境が整っていないジムも存在しています。トレーナー自身が自分で学ぶ姿勢を前提に経営しているジムも多いのが現状です。
実技テストを設けているパーソナルジムは安心材料の一つ。しかし、完全未経験者にとってはハードルが高いため、民間のパーソナルトレーナースクールで実技スキルを身につけておくと、採用のチャンスが高まります。
とはいえ完全未経験者にとって、新しい業界で上手に転職をするのは難しいもの。
2ndPASSパーソナルトレーナースクールは、全国に1600店舗以上のパーソナルジムと提携しており、現場のリアルな実技スキルを指導するだけでなく、キャリアサポートも行っています。
万が一、就職後にジムとの相性が合わなかった場合でも、再度の就職サポートを受けることができます。新しい業界への挑戦を、私たちと一緒にサポートしましょう。
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WRITER 戸田 明宏
2ndPASSスクール/編集部/Webディレクター
保有資格:NESTA-PFT、NESTA-WMT
Webディレクター:Web広告、SEO、ホームページ集客
2ndPASSスクールではホームページ運用やサイト制作を、主に卒業後の生徒に向けてサポート
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