健康やフィットネスに関心が高まる現代、パーソナルトレーナーという職業は筋トレが好きな人にとって魅力的に映るでしょう。
自分の知識やスキルを活かして、他者の健康や体型の向上に貢献できるというのは、確かに心からの満足感を得られる仕事です。
一方で「パーソナルトレーナー、やめとけ」という意見も少なくありません。では、実際のところ、パーソナルトレーナーの生活はどのようなものなのでしょうか?
この記事ではパーソナルトレーナーの働き方、やめてしまう理由とその解決策についてまとめていきます。
特にこれからパーソナルトレーナー転職をお考えの人にとって、せっかくの新しいキャリアのスタートを良いものにできるよう参考にしていただけると幸いです!
「パーソナルトレーナーはやめとけ」と言われる理由。
「好きな筋トレを仕事にしたい」という気持ちでパーソナルトレーナー資格を取り、キャリアを始める人が多いのは事実です。
しかし、筋トレと直接関わらない業務もパーソナルトレーナーの仕事には欠かせません。このギャップを知らずに業界に飛び込むと
「思ってた仕事ではなかった」
「想像と違った」
「こんなはずじゃなかった」
という感情が湧き上がることも。
業界自体がまだ日本では10年ほどの歴史しかないため、正確な情報を手に入れるのは難しいのも事実です。
しかし後悔ないキャリア選択のためには、しっかりとした情報収集が必要不可欠です。
「パーソナルトレーナーの転職はやめておけ」という意見の本質を正確に読み解くと、業界のリアルを事実をベースに把握せず転職すると「思っていた仕事と違った」というギャップが生じてしまうことなのです。
転職サイトの調査によると「美容・整体・セラピスト」は、勤続年数の3年以上が最も多い職種というデータもあります。
実際によくあるパーソナルトレーナー転職後に感じられることの多いギャップを確認していきましょう。
パーソナルトレーナー業界のリアル「ギャップと解決策」
勉強量の多さと継続学習の必要性
トレーナーとしてのスキルアップのため、解剖学や栄養学などの専門知識の継続的な学習が必要です。勉強や新しいことを学び続ける姿勢がない人にとっては、パーソナルトレーナーのお仕事は難しいかもしれません。
パーソナルトレーニングジムは現状、新規出店が多い業界です。(2023年9月現在)
ライバル店舗が働いているジムの周りにいつ現れてもおかしくはありません。
そのため、他のパーソナルジムではなく、あなたを選んでもらえるスキルを磨く必要があります。
解剖学と栄養学の豊富な知識は、顧客満足度を高めるためリピート率向上につながります。
2ndPASSパーソナルトレーナースクールでは、完全未経験の人でも6ヶ月で資格取得し、現場レベルの実技スキルを習得します。
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会社から求められるノルマと押し売りの感覚
パーソナルトレーナーとしての業務には、会社のノルマを達成するためのプレッシャーや、クライアントにサービスを「押し売り」するような感覚が伴うことがあります。
- プロテインやサプリメントの販売数
- 新規のお客様の獲得数
- 既存のお客様の継続率
特に勉強熱心なパーソナルトレーナーほど、ノルマに課されたことが「本当はお客様にとって必要ないものまで売らなければいけないのでは?」と感じることがあります。
そうしたパーソナルトレーナーは業務委託やフリーランス活動に切り替えることで、「やっていること」と「やりたいこと」のギャップが起こらないよう対処することが可能です。
また全てのパーソナルジムが物販のノルマを課しているではありません。あくまで物販は基本給にプラスアルファするインセンティブの位置付けで設定しているパーソナルジムもあるため、別のパーソナルジムに転職することで、上記の問題に対処することができます。
収入を安定させる難しさ(個人事業主のトレーナーのみ)
クライアントの数やセッションの頻度によって収入が変動するため、安定した収入を得るのは難しい場合があります。
正社員のパーソナルトレーナーであれば、集客は基本的にパーソナルジムが行うため基本給で収入が保障されます。
一方で業務委託やフリーランスのパーソナルトレーナーは自分自身で集客をする必要があります。
頑張ればその分、トレーナーの平均年収の倍は稼ぐこともできますが、売り上げ0も可能性もあります。
独立前に集客・マーケティングのスキルを学んでおくこと。できれば独立する前に少しづつでも集客スキルを実践しておくことで、こうしたリスクは払拭できます。
会社からWeb集客を任せられることがある。
中小規模のジムでは、パーソナルトレーナーにWeb集客の業務も任せられることがあります。
新しいスキルを学ぶことにやりがいを感じるパーソナルトレーナーがいる一方、Web集客の知見がないと、任せられた仕事で成果をなかなか出せず、それがストレスになってしまうことがあります。
- Instagramアカウント運用
- ホームページ運用
「好きな筋トレを仕事にしたい」とパーソナルトレーナーの道を選んだ人にとって、Web集客・マーケティングの業務は想定外である人が大半でしょう。
トレーニング・セッション以外のお客様対応が思ったより多い
トレーニングセッション以外にも、クライアントの相談対応やアフターフォローなど、多岐にわたる対応が求められます。
- ラインでの毎日の食事指導 (お客さまの人数分)
- 業務と直接関係のないお悩み相談(メンタルケアも大切)
トレーニングを教えることで忙しくなることはトレーナーになる前から想像できても、トレーニング以外で多忙になり、残業が重なる点を見落としてしまう人は少なくないでしょう。
スケジュール調整業務
お客様の都合や自身のスケジュールを考慮して、セッションの日程を調整する業務があります。
お客様の数が増えるほど、この業務は増えていきます。
数を抱えればこうした業務を手帳で行うことは、抜け漏れが発生しかなり難しいです。
うまく行っているトレーナーはアプリやツール等を活用し工夫することで、スケジュール調整の労務コストを効率化して対処します。
顧客管理業務
クライアントの情報管理やセッションの進捗管理など、顧客管理に関する業務もトレーナーの役割として求められます。
これらのギャップや課題を知ることで、後悔せずにトレーナーとしてのキャリアを築くための準備ができます。
次に、これらの課題を乗り越えるための方法やアドバイスについて詳しく解説します。
パーソナルトレーナーに向いてる人・向いていない人の特徴
どんな仕事でも人によって向き・不向きはあり、パーソナルトレーナーも例外ではありません。
1. 継続学習できる人は向いている
◎ | 向いている人 ・筋トレやトレーニング理論に興味を持ち、学び続ける意欲がある人 ・最新のトレーニング方法や栄養学に関心を持ち、知識をアップデートできる人 ・お客様のニーズに合わせて適切な指導ができるよう、柔軟に学び続けられる人 |
✖️ | 向いていない人 ・勉強するのが嫌いで、新しい知識を習得する意欲がない人 ・資格を取得したら学びを止めてしまう人 |
学生時代の勉強が苦手でも大丈夫?
学生時代に勉強が苦手だったからといって、パーソナルトレーナーに向いていないとは限りません。 多くの人が「やらされている感覚」で学んでいたため苦手意識を持っているだけで、 好きな筋トレの勉強なら楽しく続けられるケースも多くあります。
学んだ知識がトレーニングの現場で役立ち、 お客様から感謝されることで勉強意欲が加速することもあります。 そのため、「勉強が苦手だったから無理」と決めつける必要はありません。
なぜ学び続けることが重要なのか?
パーソナルトレーニングを受けるお客様は、それぞれ異なる悩みを抱えています。 例えば、腰痛や肩こりを抱える人に対して、 単に一般的な筋トレを指導するだけでは適切な対応とは言えません。
お客様の過去の怪我や既往歴をしっかりヒアリングし、 個別に対応したトレーニングを提供できるかどうかが、 トレーナーとしての実力の分かれ目となります。
また、トレーニング理論や人体の知識は日々更新され、 現在の常識が数年後には変わることもあります。 そのため、最新情報を常にキャッチアップし、 知識をアップデートし続けることが求められます。
2. 対人仕事・接客業が好きな人
◎ | 向いている人 ・お客様の悩みやモチベーションに寄り添える人 ・相手の話をしっかり聞き、適切なアドバイスができる人 ・トレーニングを「楽しい」と感じさせる雰囲気を作れる人 |
✖️ | 向いていない人 ・お客様との関係構築に興味がなく、会話が苦手な人 ・一方的に指導するだけで、お客様の悩みを聞く姿勢がない人 ・目標達成に向けたモチベーション管理ができない人 |
コミュニケーションが求められる理由
お客様は、筋トレの知識だけでなく「継続して頑張れる環境」に価値を感じています。
例えば、
「このトレーナーと一緒だから頑張れる」
「今日もあっという間だった!」
と感じることで、トレーニングを続けるモチベーションにつながります。
ただ話すだけでは不十分
パーソナルトレーナーのコミュニケーション能力は、単なる会話スキルではありません。 お客様の状況を理解し、モチベーションを引き出す力が求められます。
例えば、食事制限を守れなかったお客様に対し、単に「食べないでください」と言うのではなく、
- なぜ目標達成よりも食事を優先してしまったのか?
- どんなストレスを抱えていたのか?
- 食事の重要性を十分に説明できていたか?
など、お客様の気持ちに寄り添うことが大切です。
パーソナルトレーナーは、トレーニングを教えるだけでなく、お客様との信頼関係を築き、 共に目標達成に向かうパートナーであることが求められます。
3. 体型に関する認識
パーソナルトレーナーとしての信頼性には、健康的な体型を維持することが大きく関わります。
◎ | 向いている人 ・健康的な体型を維持している人 ・清潔感があり、身だしなみに気を配れる人 ・自身の健康管理を実践し、説得力のあるアドバイスができる人 |
✖︎ | 向いていない人 ・体調管理を怠り、不健康な状態が続いている人 ・生活習慣が乱れていて、クライアントの信頼を得にくい人 ・自身の健康管理に無関心で、指導の信頼性が低い人 |
体型は筋肉量ではなく健康維持が大切
よくある誤解として、「ゴリゴリのマッチョでないとトレーナーに向いていない」と考える人がいます。
しかし、必ずしも大柄な体型である必要はありません。なぜならばクライアントの多くは、ボディビルの大会を目指しているわけではなく、健康維持やダイエット目的でトレーナーをつけるからです。
そのため、大会実績があれば信頼性を高める要素にはなりますが、必須ではありません。
重要なのは、適度に健康的な体型を維持し、お客様にとって「この人に指導されたい」と思える存在であることです。
健康的なライフスタイルを実践することが重要
- 身だしなみや清潔感があることで、お客様に安心感を与えられる
- 自分自身がダイエットや体づくりに成功すれば、その経験が指導に活かせる
- 大会への参加は必須ではないが、適切な体型維持は求められる
健康的な体型を保つことは、パーソナルトレーナーとしての信頼性を高めるだけでなく、 お客様に対して実践的なアドバイスをする際の強みになります。
パーソナルトレーナーの仕事の魅力・やりがい
多くのパーソナルトレーナーは「好きな筋トレを仕事にしたい」と考えます。
その魅力は、クライアントの健康や体型向上に直接関わり、成功時には「ありがとう」という感謝を直接受け取れること。
この感謝は、筋トレの趣味が仕事の成果として形になった時の大きなやりがいとなります。
業務委託やフリーランスとしての働き方を選択することで、「自由な働き方」が可能となります。
特に、自分のライフスタイルや家庭の事情に合わせて、効率的に働くことができるのは大きな魅力の一つです。
フリーランスで働く場合、月収50万円〜100万円と、高収入を得るトレーナーも珍しくはありません。
完全未経験からパーソナルジムに就職する前に
パーソナルトレーナーとして働く前に、業界で感じることの多いギャップをしっかりと把握しておきましょう。
特に、最初のジム選びは非常に重要です。最初のジムが合わなければ、トレーナーとしての成長が遠回りになることもあれば、業界を辞めてしまうリスクも考えられます。
逆に、最初のジムが自分に合っていれば、その後のキャリアも順調に進むでしょう。
筋トレが好きで始めるものの、どの業界も就職前とイメージが違うことはつきもの。良いジム選びもある程度は確率論の側面がありますが、十分なリサーチがあれば、「大外れを引く確率を下げること」はできます。
ジム選びのポイント・ガイドライン
「未経験者OK」と謳っているパーソナルジムに安易に飛びつかないこと。人手不足が業界の課題の一つで、未経験者を受け入れるジムも増えていますが、その背景を理解することが大切です。
業界の歴史が10年と浅いため、トレーナーを育成する環境が整っていないジムも存在しています。トレーナー自身が自分で学ぶ姿勢を前提に経営しているジムも多いのが現状です。
実技テストを設けているパーソナルジムは安心材料の一つ。しかし、完全未経験者にとってはハードルが高いため、民間のパーソナルトレーナースクールで実技スキルを身につけておくと、採用のチャンスが高まります。
とはいえ完全未経験者にとって、新しい業界で上手に転職をするのは難しいもの。
2ndPASSパーソナルトレーナースクールは、全国に3100店舗以上のパーソナルジムと提携しており、現場のリアルな実技スキルを指導するだけでなく、キャリアサポートも行っています。
万が一、就職後にジムとの相性が合わなかった場合でも、再度の就職サポートを受けることができます。新しい業界への挑戦を、私たちと一緒にサポートしましょう。
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WRITER 戸田 明宏
2ndPASSスクール/編集部/Webディレクター
保有資格:NESTA-PFT、NESTA-WMT
Webディレクター:Web広告、SEO、ホームページ集客
2ndPASSスクールではホームページ運用やサイト制作を、主に卒業後の生徒に向けてサポート
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