公開日:2024.01.31

最終更新日:

個人事業主パーソナルトレーナーになる前に知っておきたいこと

パーソナルトレーナー

個人事業主としてパーソナルトレーナー業を営むとき、お金の管理、スキルの向上、将来性、そして集客方法など、さまざまなことが不安になるでしょう。

この記事では、パーソナルトレーナーとして独立する際に直面する主要な課題を解決するための実践的なアドバイスを提供します。

収入、資格、経費の管理や手続きなどなど解説していきますので参考にしてくれると幸いです。

個人事業主のパーソナルトレーナーとしてのキャリア転身

サラリーマンからパーソナルトレーナーへのキャリア変更を考える際、個人事業主として働くことのメリットは魅力的です。

正社員として働く場合と比較して、個人事業主のトレーナーは月収50万円以上を稼ぐことも可能で、働き方に自由度があります。

しかし、自由である一方でそれまで会社の行っていた業務をご自身でこなす必要があります。

お金の管理、集客、そして開業に必要な手続きなどが含まれます。

特に、財務面では、確定申告や青色申告の知識が必要です。

また、2023年10月からはインボイス制度が導入されるため、これに関する理解も重要です。

この記事では、パーソナルトレーナーとしてキャリアチェンジする際に得られるメリットに触れつつ、その前に把握しておくべき重要な準備にフォーカスして解説します。

働き方に関しては、別記事「フリーランスのパーソナルトレーナーの働き方を完全解説」で詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。

この転職には多くのメリットがあり、それらを最大限に活用するためには、事業主としての基本的な知識と準備が大切です。

個人事業主としての活動を開始する前に、必要なステップを明確にし、それらを一つずつクリアしていくことが、新しいキャリアを築くための大きな一歩となります。

当記事が、その過程で役立つ情報源となり、パーソナルトレーナーとしての新たな道を歩むあなたをサポートできれば幸いです。

個人事業主のパーソナルトレーナーはどれくらい稼げるのか?

パーソナルトレーナーとして個人事業主になると、年収の面で大きな変化が見込めます。

会社員トレーナーとしての収入は、店長やマネージャークラスでも月収40万円から50万円程度が一般的な上限です。

しかし、個人事業主として独立することで、この上限を超える収入を得る可能性が開けます。

個人事業主のトレーナーは、集客能力によって収入が大きく変動します。

十分な集客ができれば、月収50万円以上も十分に可能ですが、反面、集客ができなければ収入は0になるリスクもあります。

この収入増加の要因は主に二つあります。

一つは、より多くの顧客を獲得できれば、その分だけ売上が増えることです。

もう一つは、自分でトレーニングの単価を設定できることです。

月の売上の計算式

月収目標セッション単価週の稼働時間必要なお客さま数
50万円6,000円約21時間約11名
50万円10,000円約12.5時間約6名
※売上の計算例は、経費を考慮に入れていないため、実際の収入を計算する際にはこれらの要素も考慮する必要があります。


月に50万円の売上を目指す場合、どのように計画を立てるかが重要です。

1セッションあたりの単価と必要な顧客数を事前に計算してみましょう。

たとえば、セッション単価が6,000円の場合、週約21時間の稼働で約11名の顧客が必要になります。

一方、セッション単価を10,000円に設定すれば、週約12.5時間で約6名の顧客で目標を達成できます。

このように、個人事業主としてのパーソナルトレーナーは、収入を自らコントロールすることが可能ですが、それには適切な計画と戦略が必要です。

ちなみに月収100万円を稼ぐ場合は下記の計算になります。

月収目標セッション単価週の稼働時間必要なお客さま数
100万円6,000円約42時間約21名
100万円10,000円約25時間約13名

「自分がどれくらい集客できそうか?」

「自分のトレーニングで提供できる満足度は1セッションあたりいくらなのか?」

ここをクリアにしておくことが、収入に関する不安要素の解消に繋がります。

必要な資格と専門知識の取得

パーソナルトレーナーとして個人事業主になるには、特定の資格取得義務はありません。

無資格でも、適切な知識とスキルがあれば活動することが可能です。

しかし、近年、無資格トレーナーによる事故がニュースで取り上げられるなど、トレーナーとしての資格の重要性は年々高まっています。

「消費者庁による「パーソナルジムにおける事故と健康被害調査」を受けたガイドライン」

また、パーソナルトレーニングサービスが一般化するにつれ、顧客もトレーナー選びのリテラシーを高めています。

これまで会社のブランドに支えられていた信用に頼ることなく、個人としての信頼を築く必要があるため、資格取得は強く推奨されます。

資格はスキルの証明だけでなく、トレーナーとしての信頼性を客観的に示す手段でもあります。そうすることで、顧客に安心感を提供し、自身のサービス価値を高めることができます。

スキルの継続学習はセッション単価につながる

さらに、スキル向上のための継続的な学習も不可欠です。

個人事業主として活動する際には、自ら学習の機会を見つけ、スキルを磨く責任があります。


トレーナーとしての知識を更新し続けることは、顧客満足度の向上に直結し、1セッションあたりの単価を上げることにもつながります

トレーナースクール、オンラインサロン、セミナーなど、多くの学習方法があります。

インターネット上には情報が溢れていますが、全てが正確であるとは限りません。

信頼できる情報源を見極め、体系化された知識を学ぶことが重要です。

最新の研究や論文に基づいたトレーニング方法を提供することで、顧客に最高のサービスを提供することができるようになります。

個人事業主の様々な働き方

パーソナルトレーナーとして個人事業主になる場合、働き方は多岐にわたります。

提供する場所によって異なるコストが発生し、それに応じて収益構造も変わってきます。以下は、主な働き方とそれぞれのメリットとデメリットを概説します。

自宅マンションでの活動

マンションの一室を利用してトレーニングを提供します。

  • コスト: 家賃が主な負担。
  • メリット: 移動時間がかからず、自宅の空間を有効活用できます。
  • デメリット: 機材を自身で揃えるコストがかかる。また近年ではマンションでのトレーニングは近隣からのクレームもあり、不動産の許可がおりる物件が限られる。

レンタルジムでの活動

レンタルジムを利用してトレーニングを行います。

  • コスト: 1時間または1セッションあたりのレンタルジムの利用料金。
  • メリット: 設備が整っており、プロフェッショナルな環境で提供できます。
  • デメリット: 利用料金が売上に直結し、利益率に影響します。



レンタルジムについて詳しく知りたい方は、こちらの動画で解説しております。


300店舗近くのレンタルジム「THE PERSON」を運営する「大石裕明」CEOとの対談動画

出張パーソナルトレーニング

顧客の自宅などでトレーニングを提供します。

  • コスト: 移動にかかる交通費(電車やガソリン代)。
  • メリット: 顧客にとって便利で、よりパーソナルなサービスを提供できます。
  • デメリット: 移動時間が増えるため、1日の稼働時間が限られます。

オンラインパーソナルトレーニング

オンライン上でトレーニング指導を行います。

  • コスト: 最も低コスト。インターネット環境と適切な機材が必要。
  • メリット: どこからでもアクセス可能で、多くの顧客にリーチできます。
  • デメリット: 対面での指導ができないため、通信上でのコミュニケーション能力が必要。

業務委託契約の働き方

パーソナルトレーナーがパーソナルジムと業務委託契約を結び、特定のジムで活動する場合、売上の一部を契約先のジムに支払うことが一般的です。

この割合については、一般的にセッションあたりの収入が6,000円から8,000円で、トレーナーに支払われる収入の割合は約70%程度とされています。ただし、この割合はジムによって異なるため、契約前に詳細を確認することが重要です。

メリット

  • フィットネスジムの顧客ベースを利用して集客できるため、0からの集客に時間を費やす必要がありません。
  • ジムの設備を利用できるため、個人で機材を揃える必要がない。

デメリット

  • 1セッションあたりの単価はジムが定めるため、トレーナーは自由に設定できません。
  • 売上の一部をジムに支払うため、収入に上限がある。


確定申告と財務管理

パーソナルトレーナーが個人事業主として活動する際、自身でのお金周りの管理は不可欠です。

特に、これまで会社が行っていた税務関連の業務は初心者には難しいかもしれませんが、基本を理解してやるべきことを把握しておきましょう。

開業届の提出

個人事業主としての活動を始めるには、まず税務署に開業届を提出する必要があります。

この手続きは比較的簡単で、次のステップで完了します

  1. 税務署に行くかウェブサイトから開業届出書を入手。
  2. 必要事項を記入(事業名、開業日、事業内容など)。
  3. 税務署に提出。

正確な売上とコストの把握

青色申告を行うためには、売上とコストを正確に記録しておく必要があります。

これには、会計ソフトの利用が有効です。例えば、freeeや弥生会計などがありますが、一度選んだソフトを変更するのは大変手間がかかるため、最初から慎重に選ぶことが重要です。

会計ソフトの活用

会計ソフトは有料ですが、その利便性は高く、特にfreeeは銀行口座との自動連携機能があり、売上とコストの管理を大幅に簡素化します。

手渡しでの支払いを含め、トレーナーの収入管理には弥生会計も適しています。

どちらのソフトを選んでも問題はありませんが、会計ソフトの利用は事業運営を効率化するために必須です

特にパーソナルトレーナーの職業は

  • 集客
  • お客様のスケジュール管理
  • 一人ひとりへの丁寧な食事指導
  • ご自身の継続学習


などやるべき業務が多いので、こうしたお金周りの管理は可能な限り自動化して業務コストを削減しておくことをお勧めまします。

経費の管理

トレーナーとしての経費には、

  • 継続的な学習にかかった費用
  • レンタルジムの使用料
  • 機材の費用
  • 移動費

などが含まれます。

また、自宅でトレーニングサービスを提供する場合、トレーニングに使用するエリアの面積に応じて、家賃の一部を経費として計算できます。

税務知識の重要性

電子帳簿保存法に基づき、領収書データは会計ソフトで管理する必要があり、紙の領収書の場合は7年間保存する必要があります。

確定申告は、年度ごとに売上と経費を正確に報告するための重要なプロセスです。

個人事業主としての財務管理は初めての挑戦かもしれませんが、これらの基本を押さえておけば対応することができます。

会計ソフトの利用や適切な記録の維持により、事業運営をスムーズに行うことが可能です。

個人事業主としてのパーソナルトレーナー活動をするまで

個人事業主としてパーソナルトレーナーとして活動する場合、コストを抑えながら効率的にビジネスを立ち上げることが可能です。

主な働き方としては、レンタルジムでの活動、出張トレーニング、オンラインパーソナルトレーニングなどがあります。

これらの方法は、自宅や特定の店舗に拠点を構える必要がないため、開業に際しての初期投資を大幅に削減できます。

特にオンライントレーニングは、場所を選ばずにサービスを提供できるため、最も低コストで始めることができます。

ジム経営における留意点

一方、ジムを開業し、トレーナーを雇用する場合は、より大規模な資金計画と事業計画が必要です。

事業計画書の作成は、ビジネスの目標設定と必要資金の見積もりに不可欠で、信頼できる銀行からの借入れや自己資金の活用が一般的な資金調達方法です。

ただし、消費者金融からの借入れは避け、リスクを最小限に抑えることが重要です。


【完全ガイド】パーソナルジムを開業する前に絶対知っておくべきこと

独立へのステップバイステップ

完全未経験者は、最初に正社員として基本的なスキルと経験を積むことから始め、次にフリーランストレーナーとして独立します。

その後、十分な売上を確立してから、ジム経営者としてのキャリアに進むことを検討することが可能です。

各段階での経験を積み重ね、次のステップに進む準備を整えることが、成功への鍵となります。

個人事業主としてのキャリアは一歩ずつ前進し、リスクを管理しつつ、計画的に事業を展開することが大切です。


またこの記事を書いている2ndPASSパーソナルトレーナースクールでは


二つのコースで完全未経験者でも、将来的に独立や開業を目指したい方どちらでも支援するコースを提供しております。

WRITER 戸田 明宏

2ndPASSスクール/編集部/Webディレクター

保有資格:NESTA-PFT、NESTA-WMT

Webディレクター:Web広告、SEO、ホームページ集客

2ndPASSスクールではホームページ運用やサイト制作を、主に卒業後の生徒に向けてサポート


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