日本には数多くのトレーナー資格があります。
日本発祥の有名な資格と言えばJATI、また海外に本拠地がある団体といえば、NESTAやNSCAが有名です。
そしてNESTAやNSCAと同様に日本でも有名な資格が「NASM」です。
NASMは理学療法士によって設立された団体で、発行資格である「NASM-PES」は健康やリハビリ・パフォーマンス向上に深く関わりのある知識を学びます。
今回はNASMがどんな団体で、どんな種類の資格があり、取得にはどんな条件が必要なのかを解説します!
NASM-PESなど,パーソナルトレーナー資格に興味がある方へ
NASMとはどんな団体か
NASMの正式名称は、「National Academy of Sports Medicine(全米スポーツ医学協会)」です。
NASMは1987年に設立された団体で、現在はアリゾナに拠点を置き、世界95カ国でNASMが提供するトレーナーカリキュラムを学ぶことができます。
現在、NASMの資格取得者トレーナー数は約54万人。日本ではパーソナルトレーナー団体として有名なNSCAよりも、実は資格取得トレーナー数(約46,000人)が圧倒的に多いんです。
NASMの代表は理学療法士
もともとNASMは、ロバートM.ゴールドマン氏という人物が創設しました。
現在、NASMのCEOを務めるのはマイケル・クラーク氏。彼は2000年にNASMに参加しましたが、それまではNBAのフェニックス・サンズのチーム理学療法士を務めていました。
それ以外にも、NBA、NFL、オリンピックとアメリカを代表する名コーチ・トレーナーとして、活躍してきた実績を持っています。
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NASM-PESの特徴
NASMの発行資格「NASM-PES」のPESは、Performance Enhancement Specialistの略称です。「パフォーマンスを向上(エンハンスメント)させるスペシャリスト」といった感じです。
アスリートから一般人まで、ケガのリスクを抑えつつ、競技力のアップさせたり、日常動作を楽に行えたりする運動指導を行います。
そういった目的にあわせて、お客様1人1人に適切なメニューを組んで、実践・ガイドできる指導者を目指すトレーナー資格がこのNASM-PESなんですね。
NASM-PESでは、NASM独自の「OPTモデル(Optimum Performance Training)」というトレーニングシステムを掲げています。
パフォーマンス向上には、柔軟性やコア(体幹)の安定性、敏捷性、スピード、パワーといった各種要素が求められます。それらのすべてを、スポーツ医科学に裏付けられた方法論で対応できるのが、NASM-PESの目指すトレーナーの理想像です。
NASM-PESでどんなことが学べるのか
もう少し、NASM-PESの資格を取得できたらどんなことができるようになるかを解説しましょう。
(1)体全体の連動に基づいた「動作の仕組み」が分かる
筋肉は「大胸筋」や「上腕二頭筋」など、単一の筋肉で動いているわけではありません。いくつもの筋肉が複雑に連動して、ひとつの動作が成り立っているのです。
- 速い球をどう投げるのか
- 階段の上り下りで膝に痛みを感じないようにするにはどうすればいいのか
こうした問題は、シンプルな筋トレだけで改善するとは限りません。パフォーマンスを高めるには、身体の機能やメカニズムをトレーナーが深く知っている必要があります。
昨今人気の「ボディメイク」「ダイエット」とは違うテーマで、よりお客様の身体機能的な悩みに詳しいトレーナーになれるのが、NASM-PESの特徴と言えますね。
(2)スポーツも人生も豊かにする「傷害予防」の原理を学べる
- スポーツを楽しんだり、競技力を高めたりする
- 毎日元気な生活を送る
この2つには、パフォーマンスを高める以上に大事なことがあります。それは、ケガを予防することです。NASM-PESのOPTモデルは、トレーニングにいくつかの段階・基準を設けています。階段をひとつずつ上るように、段階別でトレーニングを重ねることで、ケガから身を守りながらパフォーマンスアップを目指せるのです。
NASM-PESは、ケガをせずに動きの質を高めるためのメニューを組むのにも役立ちます。
NASM-PESにおすすめな人
NASMの協会はNASM-PESの資格は、こんな人におすすめだとします。
- ダイエットだけでなく、お客様の痛みの改善、ケガの予防、パフォーマンスアップにも貢献したいと考えているスポーツトレーナーや、ジムインストラクター
- 身体全体の機能や連動性をより深く理解して、お客様の身体の悩みに根本的なところからアプローチしたい治療家
- スポーツ系の大学、専門学校に通っていて将来的にスポーツ現場などで活躍できるトレーナーになりたい学生
実際にNASM-PESの取得者には、
- パーソナルトレーナー
- アスレティックトレーナー
- ストレングス&コンディショニングコーチ
- 理学療法士
- 鍼灸師
- 柔道整復師
といった各種トレーナー業の方や、資格を持っている方が多いです。
また、トレーナ関連のお仕事に就きたい、転職したい方にとって資格をもっていることは有利に働きます。トレーナー業界の求人において、資格取得者を優遇する求人は多くあります。
資格を取得する方法
NASM-PESの資格を取得は、オンラインで動画受講できるトレーナー資格取得コースを受けることとなります。その内容やどんな教材で勉強するのかを見てみましょう。
受験条件
NASM-PESを受験したい人は、次の条件を満たす必要があります。
- 4年制大学(学部は問わない)、または日本のスポーツトレーナー系・医療系専門学校を卒業しているか、およびその卒業見込みであること
- アメリカの体育系団体であるNCCA、NBFE、DETCが認定する団体(NSCA、ACS、NESTA、ACSM、AFAAなど)の資格を持っていること。
この2つのうち、どちらか1つか両方に該当している必要があります。年齢の制限等は設けられていません。なお、オンラインコース受講と試験までが一貫して行われるので、「受講はせずに試験だけ受ける」ということはできないようです。
受講料(受験料も込み)
税込132,000円。特別割引の「学生割引」が適用される人は、受講料が税込み92,400円になります(専門学校や大学の最終学年の人に適用されます)。
オンラインコースの受講内容
受講者には、次のコンテンツが送られます。
- 日本語の講義動画サイトへのアクセス権(全16章・総動画時間17時間分)
- 講義受講用日本語版テキスト
- 試験対策用小テスト (全16章分)
- 英語版テキスト 全647ページ
- NASM Official Siteへのアクセス権 ※Exercise Library他
- 日本語版資格試験の受験権利
オンライン講座は、主に動画で学ぶことができます。なお、全16章のカリキュラムは次の通りです。
- 第1章 インテグレーテッドトレーニングの概要
- 第2章 人間運動科学概論
- 第3章 スポーツパフォーマンステスト
- 第4章 パフォーマンスアップのための柔軟性トレーニング
- 第5章 パフォーマンスアップのための心肺持久力トレーニング
- 第6章 パフォーマンスアップのためのコアトレーニング
- 第7章 パフォーマンスアップのためのバランストレーニング
- 第8章 パフォーマンスアップのためのプライオメトリクストレーニング
- 第9章 パフォーマンスアップのためのSAQトレーニング
- 第10章 パフォーマンスアップのためのレジスタンストレーニング
- 第11章 パフォーマンスアップのためのオリンピックリフティング
- 第12章 ピリオダイゼーションとOPTモデル
- 第13章 障害予防のコンセプ
- ト第14章 パフォーマンス栄養学
- 第15章 エルゴジェニックエイド
- 第16章 パフォーマンス心理学
オンラインコースの申込から受験、資格取得の流れ
- Gmailアカウントの取得※講義動画サイトにアクセスするために必要です。(すでにアカウントを持っていれば、新たに作成する必要はありません)
- 申し込みフォームで登録
- 指定口座に受験料を振り込む
- オンライン学習のスタート
- 入金確認後、約2週間で英語版のテキストが郵送される
- 入金後20日以内にNASMから、オンライン試験サイトがメールで送られる
- オンライン試験を受講※試験結果(合格・不合格)はその場で分かります。
- 合格後2か月以内に、NASMから認定証が郵送される。
オンライン講座の推奨利用環境
NASM-PESの資格講座を受ける場合、次のPC環境を用意しておきましょう。
PCスペック、通信環境
- 推奨ブラウザ Google Chrome、safari
- 推奨画面サイズ 1280×1024pixcel以上
- 推奨通信速度 1Mbps以上
- Adobe Flash Player(Version10.0.0以上)
OS環境
- windows 7以降
- Mac OS X 10.7以降
- Ubuntu 10以降
- Linux OS 11以降(64bit)
NASM-PESの取得難易度
NASM-PESのオンライン試験は、100問中70問以上で合格となります。合格率などは発表されていないものの、オンライン講座で学習を繰り返していれば、試験合格は決して難しくありません。
仮に試験が不合格だった場合も、受講開始から1年以内の期間であれば、合計3回まで試験を受けることができます。
資格取得で知識をつけつつ、現場で活かせるスキルも磨こう
NASM-PESはNESTA-PFTやNSCA-CPTと比べると、オンラインかつテキストベースなので、自由な時間で勉強ができ受講しやすいという特徴があります。
試験自体もオンラインで行われるので、受講ハードルが低く、これから健康やパフォーマンスアップといったトレーナーの勉強を始めたい人にとっては、非常にとっつきやすい資格かもしれません。
有名なトレーナー資格一覧
NASM-PES資格の他にもトレーナー資格は数多くあり、例えば以下のような資格が挙げられます。
上記のうちパーソナルトレーナー業界で最も有名な2大資格と言われているのがNESTA-PFTとNSCA-CPT資格です。
CSCSはNSCAの発行するNSCA-CPTとは別の資格で、アスリートやスポーツ現場で活躍する人をターゲットにしたトレーニング指導を証明する資格です。
資格によってもそれぞれ特徴があるので、自分にあったトレーナー資格をよくリサーチして勉強していきましょう。
トレーナーに必要なのは資格だけではない
パーソナルトレーナーやインストラクターを目指す人にとって、身体の機能に関する知識を身につけることはとても重要です。しかし、知識があるとはいいつつも、それだけでパーソナルトレーナーとして活躍できるとは限らないことも覚えておく必要があります。
たとえば、
- 接客やカウンセリングといったコミュニケーションスキル
- お客様のトレーニングや食事管理を円滑に行うマネジメントスキル
- そしてお客様を集客するためのマーケティングスキル
こうしたスキルを広く身につけて実践することで、はじめてパーソナルトレーナーとして稼ぐことができます。
NASM-PESに限らず、フィットネス団体の資格を取得したい人は、将来を見据えてトレーナーとして必要なスキルや能力を身につけられるように準備をしておきましょう。
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WRITER 戸田 明宏
2ndPASSスクール/編集部/Webディレクター
保有資格:NESTA-PFT、NESTA-WMT
Webディレクター:Web広告、SEO、ホームページ集客
2ndPASSスクールではホームページ運用やサイト制作を、主に卒業後の生徒に向けてサポート
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