「スポーツトレーナーってどんな仕事?」
「資格は必要?」
「どうしたらなれるの?専門学校を卒業しないとなれない?」
本記事ではこういった疑問に答えます。
実はスポーツトレーナーにはいくつかの種類があり、それぞれ収入や働き方も変わってきます。
「スポーツに関わる仕事」という意味では、専門学校を必要とせず就職できるトレーナー業もあります。
ジムのトレーナーからリハビリをメインとするお仕事まで、幅広く紹介して参ります。
フィットネスやスポーツが好きなあなたが、好きなことを仕事にする参考にして頂けると幸いです。
スポーツトレーナーとは
スポーツトレーナーは一言で「運動指導をする仕事」ですが、運動指導の仕方にもいくつかの種類があります。
その種類は大きく分けて2種類
- 身体の機能を向上させる指導、パフォーマンス向上を目的としたトレーニングを教えるスポーツトレーナー
- 身体の機能改善やケア・リハビリを施すスポーツトレーナー
この2種類に分類されます。
①と②両方を行うスポーツトレーナーもいれば、どちらかをメインに行うスポーツトレーナーもいます。
そのため「スポーツトレーナーになりたい」と考える場合、あなたがどのようなスポーツトレーナーになりたいのか?を考える必要があるのです。
スポーツトレーナーという名前だからと言って、必ずしもスポーツの現場だけで活躍するわけではなく、病院や整体院で活躍するスポーツトレーナーもいます。
またフィットネスジムやスポーツクラブにて、お客さまにダイエットや体質改善のマンツーマン指導をするトレーナーは「パーソナルトレーナー」と呼ばれます。
スポーツトレーナーは運動指導を行う職業の総称の意味合いで使われる言葉と言えます。
ではスポーツトレーナーと呼ばれる職業にどのようなものがあるのか、仕事内容など具体的に見ていきましょう。
スポーツトレーナーにはどんな種類があるの?
スポーツトレーナーと呼ばれる職業には以下のものが挙げられます。
- アスレティックトレーナー
- 理学療法士
- あん摩マッサージ師
- 鍼灸師
- 柔道整復師
- 番外編 パーソナルトレーナー
それぞれ簡単に説明していきます。
アスレティックトレーナー
主にアスリートに運動指導するスポーツトレーナーをアスレティックトレーナーと呼びます。
スポーツ選手が試合で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、トレーニングメニューの作成や身体のケア・コンディショニングをアスレティックトレーナーが行います。
活躍の幅はプロチーム、アマチュアチームから地域のクラブチームなど幅広く、基本的にはスポーツ現場に出る人々のトレーニング指導やケアを行います。
プロチームや有名スポーツ選手と個人契約を結ぶことができれば、年収1000万以上の高収入を狙うこともできる職業です。大きなチームとの契約はトレーナースキルに加えて人脈なども求められるので、もちろんここまでの収入を狙うのは難易度は高めです。
対してスポーツ現場でサポートすることに「やりがい」を感じてアスレティックトレーナーを行う人も多く、他の仕事と兼業でアスレティックトレーナーを行う人もいらっしゃいます。
スポーツビジネスが盛んなアメリカではアスレティックトレーナーは国家資格ですが、日本では民間資格でアスレティックトレーナーを名乗ることができます。
*資格については後にまとめて説明します。
理学療法士
理学療法士は、運動機能の維持・改善などを目的としたサポートを行います。
アスレティックトレーナーと同様、スポーツ選手の身体のケアを行うこともあります。
病気・ケガ・高齢などで運動機能が低下してしまった人々が対象でスポーツの現場だけでなく、病院で活躍する人も多くフィジカル・メディカル両方のサポートを行います。
海外ではリハビリを行うピラティスの人が理学療法士の資格を持っていることもあり、医療・スポーツどちらの現場で活躍したい人にもおすすめの資格と言えます。
国家資格であるため専門知識が必要ですが、理学療法士の知識を活かしてパーソナルトレーナーとして活動の幅を広げる人もいます。
【「理学療法士からパーソナルトレーナーへ」2ndPASS卒業生インタビュー】
あん摩マッサージ指圧師
いわゆる「マッサージ」という施術は本来この「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を持った人が行います。
あん摩マッサージ指圧師は病院、エステサロンだけでなくスポーツトレーナーとしてアスリートのいる現場で活躍することもあります。
日常的に身体のケアする必要があるアスリートは、ストレッチの一環としてマッサージという手法をとることがあります。
鍼灸師
鍼灸師は鍼(はり)・灸(きゅう)を用いた施術を行います。
活躍の場は鍼灸院にとどまらず、スポーツ現場に特化した「スポーツ鍼灸」と呼ばれるものもありスポーツトレーナーの一種として分類されます。
鍼灸師をスポーツ現場で活かせるシーンは多く、「日本では1990年の長野冬季オリンピックを機に「スポーツ鍼灸」が注目され始めたと言われています。
鍼灸師の方達も鍼灸院だけでなく、スポーツトレーナーやパーソナルトレーナーとして活躍する人々がいらっしゃいます。
【「鍼灸師からパーソナルトレーナーへ」2ndPASS卒業生インタビュー】
柔道整復師
柔道整復師は、主に接骨院の先生やスポーツトレーナーとして、ケガへの対応、健康をサポートする専門家です。
骨・関節・筋肉・腱・靭帯といった部分に急性の原因によって起こるケガ(骨折、脱臼、打撲、捻挫など)に対し、手術をせずに整復法や固定法といった専門的な治療を行います。
番外編、パーソナルトレーナー
ジムやフィットネスクラブなどで、マンツーマンレッスンを行うインストラクターをパーソナルトレーナーと呼びます。
上記のスポーツトレーナーとの大きな違いはアスリートだけでなく、ダイエット目的の一般のお客さまをメインに運動指導する点にあります。
「フィットネスやスポーツに関わる仕事をしたい」という理由でパーソナルトレーナーに転職する人は多くいらっしゃいます。
プロスポーツ選手やプロチームから契約を取るよりも、「痩せたい」「健康のためにトレーニングしたい」といったお客さまの方が圧倒的に数が多く、働き口も多くあることがその理由の1つです。
身体に関する専門知識を必要としますが、必須の国家資格などはなく専門学校を出ていなくても就職・転職できる業種です。
以上のようにさまざまな種類がありますが、基本的には身体の機能向上やケアを行うのがスポーツトレーナーの仕事と言えます。
平均年収、年収はどのくらい?
スポーツトレーナーの平均年収は369万円程度です。
(*国税庁の平成30年度「民間給与実態統計調査結果」に基づいています。)
しかし実際のところスポーツトレーナーのなかでも稼げている人とそうでない人の差はかなりあるようです。そのためスポーツトレーナー1つだけでなく、複数の現場で活動するトレーナーやアルバイトなど掛け持ちするスポーツトレーナーもいるのが現状です。
野球やサッカーなど、プロチームや有名人の認定スポーツトレーナーとして契約することができれば大きな収入が見込めますが、そのようなスポーツトレーナーはごくわずか。それほど大きくないスポーツチームで活動する場合は、369万円という平均年収を下回るスポーツトレーナーは多くいらっしゃいます。
その理由としては日本におけるスポーツビジネスのお金周りが関係していると考えられます。(さまざまな社会的要因があるでしょう。)アメリカではスポーツの試合などで大きくお金が動きますが、日本ではトッププロの試合を除いて多額の経済効果が見込めないといった背景が関係してきます。
そのため「チームを運営する企業がトレーナーにあまり多くの費用をかけられない」といった事情が絡み、スポーツトレーナーがあまり大きな年収を望めないと考えられます。
知識やスキルがあっても経済的な理由から生活できないのであれば、活動のフィールドを考え直す必要があります。このことから専門学校や大学を卒業し、国家資格を取るまでに得た知識をもとに、ダイエット産業に活動の幅を広げるトレーナーもいらっしゃいます。
資格が必須ではないパーソナルトレーナーにスポーツトレーナー系の国家資格保持者がいるのはこういったことが背景にあると考えられます。
「スポーツの分野で仕事がしたい」
「フィットネスに関わる仕事がしたい」
といった人はスポーツトレーナーの知識・スキルだけでなく、働き方についても考える必要があると言えるでしょう。
働き方
スポーツトレーナーの働き方は主に正社員とフリーランス(独立)の2種類があります。
正社員のスポーツトレーナーとして働く場合
- 企業が運営する実業団チーム
- 病院や介護施設
- 整体や整骨院
などが挙げられます。
正社員のスポーツトレーナーとして働く場合は企業のチームや、医療施設に雇用されるのが基本パターンです。
就職する場所や勤続年数によって収入は異なりますが、正社員スポーツトレーナーの場合、平均年収をベースに考えておくと良いでしょう。
日本ではスポーツ現場におけるトレーナーの活躍の場は海外のように多くありません。そのため病院等の医療施設で活躍するスポーツトレーナーの方が多くいるようです。
フリーランスとして働く場合
結論から言うとフリーランスのスポーツトレーナー1本で稼ぐのは難易度の高い業界かもしれません。
フリーランスのスポーツトレーナーの働き方は以下の通りです。
- プロチームと契約
- 有名選手との直接契約
- 複数チームとの契約
- 開業
「プロチームや有名選手との契約」は正社員のスポーツトレーナーよりも高収入は望めますが、もちろん契約までのハードルは高くなります。
相応の努力と人脈形成なども必要になってくるので、スポーツトレーナーのスキルのみならず、自分を売り込むスキルも求められると言えるでしょう。
高い収入の望める反面、実力主義であるため目に見える成果が出せなければ契約解除ということもあります。
経済面が厳しくても「スポーツや好きなことを仕事にしたい」といった、やりがいを持って働く方も多くいらっしゃいます。
開業のパターンは身体のケア・リハビリをするスポーツトレーナーの方が多いようです。
例えば、鍼灸師の資格を持ったスポーツトレーナーが鍼灸院を開業するといった形です。
(理学療法士は開業権がないため開業不可)
スポーツトレーナーになるには?
スポーツトレーナーになるには、専門学校あるいは大学のスポーツ学科を卒業する必要があります。
パーソナルトレーナーの場合、未経験可の求人が時々ありますが、スポーツトレーナーに関しては基本的に未経験の求人というものはありません。
ネットで「スポーツトレーナー 未経験」と検索してでてくる求人は、正確にはスポーツインストラクターやパーソナルトレーナーの求人です。
スポーツインストラクターとスポーツトレーナーは名前が非常に似ていますが、スポーツインストラクターはスポーツジムなどでスポーツを通した運動指導をする仕事を意味する場合が多いです。
「スポーツ関係の仕事に転職したい」
「筋トレが好きでジムで身体を動かすことを仕事にしたい」
もし今あなたが社会人でスポーツ・フィットネス関連のお仕事に就きたいのであれば、スポーツトレーナーは基本的に専門学校でも最低2年の通学期間を要するので、通学期間と費用、そして本業と勉強のバランスをよく考えて計画的に学校へ行くことをおすすめします。
あるいはフィットネスジムでのパーソナルトレーナーをやりたいという方であれば、未経験可の求人はありますが「人の身体を扱う仕事」に変わりはないので、民間のトレーナースクールで最低限の基本を学んでから就職をおすすめします。
未経験からトレーナーになる。「セカンドパス」トレーナー養成スクールはこちら
よって、スポーツトレーナーになるには専門学校や大学を通過することがあるので覚えておきましょう。
資格について
スポーツトレーナーの必要な資格について、国家資格と民間資格の2種類に分けて代表的な資格をご紹介します。
スポーツトレーナー資格は取得難易度が高いものが多いです。
スポーツトレーナーの民間資格
アルファベットが非常に多いですが、それぞれの協会と取得難易度を簡単に説明します。
- CSCS (NSCA-CSCS資格)
- JSPO-AT
- JATAC-ATC
CSCS資格(NSCA-CSCS)
合格率47.7%.
NSCAというアメリカの資格団体が発行するスポーツトレーナー向けの資格です。NSCAの公式HPでは2019年度までの合格率が発表されています。
NSCAはパーソナルトレーナー向けの資格も発行しています。
JSPO-AT(公益財団法人「日本スポーツ協会」アスレティックトレーナー)
合格率 10%~30%
(旧名JASA-AT 2018年に改名)
国内のスポーツトレーナー資格のなかで最難関と言われています。
この資格を発行する「日本スポーツ協会」の養成講習会を受けた場合、30%ほどの合格率があるそうですが、難易度が高いのに変わりはないので、この資格が取りたい人はしっかり勉強しましょう。
JATAC-ATC(NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会 アスレチック・トレーナー)
試験はないので合格率という考えはありません。
しかし取得条件のひとつである国家資格を取得した上で、JATACの講座を受講する必要があります。
国家資格の取得には専門学校や大学を修了する必要があるため、「スポーツに関わる仕事に転職したい」といった場合には期間と費用面を考えてあまりおすすめができないかもしれません。
スポーツトレーナーの国家資格
- 鍼灸師
- 理学療法士
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ指圧師
- NATA ATC資格
上記4つは日本で取得できるスポーツトレーナー資格です。専門学校や大学を卒業した後、国家試験を通過することで取得できます。
取得には最低でも2年は必要です。
またNATA ATC資格のみ海外のアスレティックトレーナー国家資格です。
「スポーツトレーナーになりたい」といった方は高校生のうちから、それなりの進路を考え専門学校や大学に進む方が多数派のようです。
スポーツトレーナーの資格は簡単にとれないものがほとんど。スポーツトレーナーになりたい人は計画的に勉強を進めて行きましょう。
対して
「身体を動かす仕事に転職したい」
「フィットネスや筋トレが好きだから、運動指導の仕事がしたい」
もしこうした思いがあるのであれば先に説明した「パーソナルトレーナー」をおすすめします。
まとめ
スポーツトレーナーになるには、資格取得やスキルの習得のために専門学校や大学で学ぶ必要があります。
最低でも2年以上の期間が必要です。
また働き口はスポーツチームや医療施設など専門性の高い現場であるため、未経験からの転職は厳しいと言えます。
「好きなことを仕事にしたい」
「スポーツが好きだったから、身体を動かす仕事がしたい」
そういった方は無理にスポーツトレーナーになる必要はなく、ジムのトレーナーやインストラクター、パーソナルトレーナーの選択肢を考えてみても良いでしょう。
パーソナルトレーナーは収入や活動形態など柔軟な働き方ができるので、スポーツトレーナーがパーソナルトレーナーになるといった例もあります。
仕事探しはやりがいや給料など、人によって選ぶ基準は異なりますが、働き方や収入面にフォーカスしてまとめてみました。
将来の仕事探しをする上で参考になれば幸いです。
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